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WBCで3大会ぶりの世界一を目指す日本は、東京ドームで行われた一次ラウンドの初戦で中国と対戦した。先発ピッチャーは大谷、スタメンに如月は入ることはなかった。別に構わない、涼しい顔で栗山監督の話を聞いていたが、今大会を迎えてからどこか落ち着かない。

それも阪神との強化試合を終えて、大谷と短い会話をした時からだ。あのとき変に弱ったところを見せてしまった__しかもそれを湯浅に見られているとも知らずに。



(調子が狂うな……)



緊張とは別物の感情に顔が顔張る。自分らしくない。小さくため息をついて試合を見守る。そんな如月の隣に誰かが腰を下ろした。




周東「なんか顔固くない?A君」

「………」

周東「えっ、無視?」



ニコニコとした表情で如月の顔を覗き込む周東は、無視された事を気にする事なく口を開く。



周東「俺てっきりA君はスタメン入ると思ってたよ」

「………はぁ。だからなんですか?」

周東「A君のバッティングが見たかったからさぁ。色々参考になるし、聞きたいこともいっぱいあるから」

「それならあの人でいーんじゃないですかぁ?」



顎でしゃくった先は今まさに登板している大谷。周東は何度か瞬きを繰り返すと首を横に振った。



周東「俺はA君に聞きたいの!」

「なんで俺なんですか」

周東「んー?A君がいいから!」

「……意味わかんないやけど」



あどけない顔で笑う周東に対して如月は眉を顰める。まともに会話もしてこなかったのに何故いきなり自分なのか。これも全てあの柳田の影響なのだろう。あの人と同じ背番号「9」を身につける周東を一瞥して立ちあがろうとする。



周東「ちょっと、どこ行っちゃうの」

「どっかです」

周東「ここにいなよ」

「俺なんかじゃなくて他の人が良いんじゃないですかぁ」

周東「さっきからA君が良いって言ってるのに…」

「………また後でいいですか」

周東「絶対ね。てか同い年なんだし敬語じゃなくていいよ?」

「そのうち敬語外れると思いますよぉ」

周東「そっかぁ。楽しみに待ってるね」



屈託のない笑みを浮かべる周東にどこか罪悪感を覚える。以前までならそんな事思いもしなかったはずなのに。



立ち上がった如月は逃げるように中野の隣へ座った。本当は近くにいた湯浅の元へ行こうと決めていたが、仲睦まじく投手陣と話してる姿を見て邪魔をする訳にもいかず、中野の元に落ち着いた。

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キョンシー(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (12月19日 8時) (レス) @page3 id: 84d2022181 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:http  
作成日時:2023年12月18日 18時

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