7話 ページ8
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「待っっって、Aさんもしかしてこれ...！」
『おやユウ君、おかえり。』
「ただいまです！！」
『ふふ、今日は帰りにサムさんの所で新鮮なのを貰ったからね。ふぐ刺しにしてみたんだ。』
「ひゃぁあご馳走だぁぁ！！」
「ふな？ふぐ刺しってなんなんだゾ？」
グリムが不思議そうに雑用係に問う。
そんな彼に雑用係はイタズラにニヤリと笑って、人差し指を形のいい唇の前へと持ってくる。
『ふふ、それは食べてからのお楽しみさね。まずは2人とも手を洗ってくるんだよ。』
「ふなっ！わかったんだゾ！」
「やっっったぁぁぁあ！ふっぐ刺し、ふっぐ刺し〜！」
2人はルンルンでスキップをしながら洗面台までかけて行く。
そんな後ろ姿を見つめて、雑用係は少し眉を下げてふわりと微笑んだ。
『...いくら重ねても、彼奴じゃないことくらいわかってるはずなのに。』
＿＿＿＿その声はどこか、寂しげな色を含んでいた。
・
・
・
「はーー美味しかったぁ...」
「美味かったんだゾ！」
『それは良かった。』
お腹をさするユウとグリムを横目に、Aは笑いながら洗い物を片付ける。
「あ、手伝いますよ」
『いいよ、ユウ君は課題でもしてなさい。』
「ぎゃっ、忘れてた！」
「ふなぁ！」
ユウ達は慌ただしげにリビングを出ようとかけ出す。
Aがそれを苦笑いしながら見送ると、リビングの入口でピタリとユウが1度静止した。
『...ユウ君？』
「あ、あの！Aさん...」
『ん？どうしたんだい？』
「...Aさん、誰か大切な人にふぐ刺しが好きな人、いたんですか？」
『！......どうして、そう思ったのかな。』
ユウの言葉に一瞬息を飲みかけたA。
ユウはそんな彼女の姿を見ると少しだけ切なそうに目を細めて、頭をかいた。
「えっと...僕たちが食べてるところを見て、どこか懐かしそうな顔をしてたから...」
『！』
「え、えっと、それで気になっただけ、デス！」
ユウはそう言い残すと、今度こそリビングから出ていった。
残された彼女は、片手で顔を覆いズルズルとしゃがみこむ。
『...はは、見破られちゃった、か...。』
どこか、情けない声で彼女は呟いた。
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あ - 面白いです…！！これからも更新頑張ってください！ (7月10日 18時) (
レス) @page9 id: f2f05df21c (このIDを非表示/違反報告)
脅威のセラフ - 夢主さん、うちに嫁に来ないかい？大事にするよ (2020年12月28日 21時) (レス) id: 285d3eca52 (このIDを非表示/違反報告)
あるみく - うぅ……グスッ……、夢主の気持ち切な過ぎて……グスッグスッ………泣けます…… (2020年11月25日 22時) (レス) id: 8de5b8d706 (このIDを非表示/違反報告)
お水とお餅(プロフ) - フグ刺し.......派手柱か......？う〜ん( ´〜｀) (2020年10月3日 17時) (レス) id: c273debe8e (このIDを非表示/違反報告)
あるみく - ジャミルとの絡みでものすごくニヤニヤしてしまいました！これからも頑張ってください！ (2020年10月3日 14時) (レス) id: 8de5b8d706 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おいしいくじら
| 作成日時：2020年8月16日 2時
