10話 ページ11
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「なぁ、いい加減目の色教えてくれたって良いじゃねぇかよ。」
『ふふ、君は会う度いつもそう言うね。』
「あったりまえだろ！選別ん時からずっと気になってんだからよ！」
ズギャンと言い放つ宇髄に、クスクスと笑いが漏れる。
嗚呼、可笑しい。どうして私なんかの瞳の色など気にし続けるのか。面白くて仕方がないさ。
『本当に天元は面白い人だね』
「お？ド派手に褒め言葉か？」
『ふふ、そう受け取ってくれても構わないよ。』
嗚呼、いつからだろうか。
こんな何気ないやり取りでさえも、愛おしく感じてしまうようになったのは。
芯の強い真っ直ぐな男だった。
無駄に自分に自信があって、いつも会う度キラキラしていて。
それと同時に、抱えきれないほどの業を背負っているこの男を。
＿＿＿＿どうして愛さずにいられようか。
...それでも、
「あ、天元様〜！偶然ですね！」
「こら須磨！はしゃぐんじゃないよ！」
「いたっ！まきをさんがぶったぁぁあ！！」
「2人とも、落ち着いて。」
桜の向こうで、声がする。
私の隣に立つ彼は、その声に愛おしげに顔を緩めて手を上げる。
「おー！お前らか！」
「お夕飯の買い出しにいってたんです！ってあー！！Aさん！お久しぶりです！」
「あらA、久しぶりね！」
『ふふ、久しぶり。須磨、まきを、雛鶴。元気かい？』
「勿論ですよお！元気いっぱいです！」
「そういうアンタはどうなんだい？」
『私かい？そりゃあもう有り余ってるくらい元気さね。』
笑いながら駆け寄ってくる彼の愛する人達が、酷く眩しい。
『おっと、それじゃあお邪魔だろうしそろそろ行くとするよ。』
「なんでだよ、一緒に夕飯食ってきゃあいいじゃねえか。」
『馬鹿言うなよ天元、独り身の私に対しての当てつけかい？
たまには夫婦水入らずの時間も大切にしろよ。』
「...そーかよ、さっさと好い相手でも見つけりゃいいのに。」
『ははっ、違いない！』
どこか拗ねたような天元の様子に、融通の聞かないガキなのかと突っ込みたくなる。
流石にこれ以上は本当にお邪魔だろうと奥方達に土産を渡し、そのまま彼の元を後にする。
『...馬鹿だなあ、私も。』
叶わない想いだということくらい、自分が1番わかっているのに。
(それでも私は、)
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あ - 面白いです…！！これからも更新頑張ってください！ (7月10日 18時) (
レス) @page9 id: f2f05df21c (このIDを非表示/違反報告)
脅威のセラフ - 夢主さん、うちに嫁に来ないかい？大事にするよ (2020年12月28日 21時) (レス) id: 285d3eca52 (このIDを非表示/違反報告)
あるみく - うぅ……グスッ……、夢主の気持ち切な過ぎて……グスッグスッ………泣けます…… (2020年11月25日 22時) (レス) id: 8de5b8d706 (このIDを非表示/違反報告)
お水とお餅(プロフ) - フグ刺し.......派手柱か......？う〜ん( ´〜｀) (2020年10月3日 17時) (レス) id: c273debe8e (このIDを非表示/違反報告)
あるみく - ジャミルとの絡みでものすごくニヤニヤしてしまいました！これからも頑張ってください！ (2020年10月3日 14時) (レス) id: 8de5b8d706 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おいしいくじら
| 作成日時：2020年8月16日 2時
