15話 ページ17
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「シノブ!おはよう!」
『おはようございます、リリー。』
入学式の翌朝、大広間にて。
レイブンクローの席で静かに食事をとっていたしのぶの隣にリリーが腰掛ける。
『リリー、良かったんですか?グリフィンドールの方で食事をとらなくても。』
「いいのよ、あそこで食べるとポッターがうるさいったらありゃしないわ。
それにせっかく自由席なんだし、少しでもシノブと一緒にいたいもの!」
『ふふ、それなら良かったです。...あ。』
リリーの言葉にクスクスと笑いをこぼしていたしのぶは、広間の入口を見て声を漏らす。
リリーもそんなしのぶを疑問に思っ
て入口に視線を向けると、そこには随分と暗い顔をしたスネイプが歩いていた。
丁度スネイプが彼女達の座っている座席の近くを通ると、しのぶは彼に声をかける。
『スネイプさん。おはようございます。
よろしければこちらで一緒に朝食を食べませんか?』
「!」
「セブおはよう!セブもこっちに来て一緒に食べましょう!」
「え、ぁ...」
オロオロと困惑するスネイプを引っ張り、強制的に自身の隣の席に腰掛けさせるリリー。
席についてからもスネイプはどこか落ち着かない様子で、暗い顔を見せたままだった。
『スネイプさん、顔色があまり優れないようですが大丈夫ですか?』
「っえ...」
「ええ!?セブ、体調が悪いなら保健室に行きましょう?」
心配そうにスネイプの顔を覗き込むリリー。
温かいティーを差し出すしのぶ。
そんな彼女達の温かさに、スネイプの視界はだんだんと滲み出す。
そんな彼にギョッとし慌てて涙を拭うリリー。
「セブ、セブ、どうしたの。とこか痛いところがあるの?」
『やはり保健室で休みますか?先生には私達から伝えておきますよ。』
「...っ違う、違うんだ...」
グズグズと鼻を鳴らしながら涙を拭うスネイプ。
『...あまり擦ると目が腫れてしまいますよ。』
「...っ」
しのぶの細く長い指がスネイプの涙をそっと拭う。
リリーはそんな彼女たちを心配そうにオロオロと見つめながら、スネイプが泣き止むのをそっと待っていた。
(スネイプの涙)
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ワサビって美味しいよね - ハリポタの二次創作って興味なかったからこれまで触れてこなかったけどでもこの作品に触れて他のも面白そうだなって感じた!意識の変化を促すような作品作ってくれてありがとうございました! (3月21日 15時) (レス) @page22 id: 98e195d485 (このIDを非表示/違反報告)
ああや - 鬼滅の刃、ハリー・ポッターどっちも大好きです!!私、時透無一郎好きなので、無一郎の成り代わり✕ハリー・ポッターも作ってほしいです!♡ (7月29日 16時) (レス) @page2 id: b434511ad8 (このIDを非表示/違反報告)
名無し84222号(プロフ) - うわぁ、、見事にアタスの心を射抜かれました、、、続きってありますかね?あったら嬉しいです! (7月27日 11時) (レス) @page22 id: 47495115b9 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎ餅 - すっごい続きが気になります! (2023年3月10日 19時) (レス) @page21 id: ba2b3def77 (このIDを非表示/違反報告)
ノルン(プロフ) - 続きが気になる… (2023年2月15日 19時) (レス) id: 01548bf821 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おいしいくじら | 作成日時:2020年10月26日 5時