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『お父様に、よく言われたの…』
「………」
『お前は、何も出来ないんだから…せめて邪魔をしないでくれって、小さい頃からよ』
「最低やな」
『だから、私…外で遊びたいなんて我儘も言わずに勉強して、ただ邪魔をしないように一人で過ごしていたわ』
「そうか」
『お父様に必要とされていなかった私は、無価値で、無意味で、いらない子だった…幸せになんて、なれるわけないじゃない』
無価値
そのレッテルは今の私にも付いたまま
だって貴族のお嬢様が
入隊させられてる時点で
この名前も地に落ちているのよ
この名前に価値はない
誰からも、必要とされてない
「なれる、お前でも」
『……どうやって…？』
「どうなりたい？お前が決めることや、やりたいようにすればええ」
『でも、私がそんな…見苦しいって怒られるわ』
「…誰に？」
誰…？
そんなの、お父様に決まってる
価値のないお前が、幸せを望むなんて…
立場を考えろって
「よく見てみ、ここには俺しかおらんで」
『……え…』
私よりずっと背の高い彼が
目線を合わすようにしゃがむ
目と目があって
視野がパッと広くなったように感じた
いつから、見えない人の影に怯えて
縮こまっていたのかしら
そうよ
ここに、お父様はいないんだ
『トントンさんにも、願いがあるのよね？』
「まぁ…自分のことしか考えとらんけど。みんなそれぞれ願いがあるんやから、あとは神様に任せればええんや」
『願いを叶えてくれるほど神様は優しくないけどね』
「それでも縋るには十分やろ」
そっか、幸せを願うことは我儘だと思って
今まで素直に考えたことなかったけど
結局幸せになれるかどうかは
分からないんだから
言うだけ言ってもバチなんか当たらないし
怒られる筋合いもないわよね
お父様に縛られるのは
私だってもう嫌なのよ
『…私が幸せになれる方法、一つあるわ』
「なんや、言うてみ」
『………自由よ、全てからの』
「…ええやん」
『えぇ、私も…そう思うわ』
貴族という枠からの解放
お父様の恐怖からの解放
この死を迫られる戦場からも逃げたい
国民のいざこざなんか興味無い
喧嘩を止めるなんてめんどくさい
いい子ちゃんの自分自身から抜け出したい
自分で作った仮面を剥がしたい
私、本当は面倒くさがりだし
雑なところだって沢山あるし
もっと泥だらけになるくらい
服を汚してみたいとも思うの
何も、出来なかったから
.
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らむね@プリ小説もやってるよ！(プロフ) - コメント失礼します！最初から一気見をしてあっという間に時間が経ってしまいましたwゆっくりでいいのでこの後の更新も気長に待ってます (11月8日 11時) (
レス) @page22 id: 81e25a727e (このIDを非表示/違反報告)
きゃらめる飴飴 - とても面白くて、最初から一気見してしまいましたwww更新楽しみにしています。 (2022年4月29日 21時) (レス) @page22 id: 8c48bd4d9d (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - コメント失礼します！ハマって最初から読ませていただきました！とっても面白くて、これからの展開が楽しみです！次の更新楽しみにしてますね(*´꒳`*) (2022年2月19日 20時) (レス) @page19 id: 7aebf15c07 (このIDを非表示/違反報告)
まっち売りの少女(プロフ) - コメント失礼します！更新お疲れ様です！ずっと待ってました！ゆっくりでいいので更新続けて貰えると嬉しいです´`* (2021年10月11日 0時) (レス) id: 69c159beb8 (このIDを非表示/違反報告)
蝶花 - 更新待ってます！ (2020年12月26日 20時) (レス) id: 38881abff7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：絵描きさん
| 作成日時：2020年7月9日 2時
