お姉ちゃん始めました【rbr】 (ページ24)

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「ちょっといい？」

『えぇ、何か用かしら？」

困った

非常に困った

なにが困ったって

鬱さんのファンクラブ(笑)の子達が

私を敵視していることだ

いやいやいや

よく見なさいよ少女達

これ顔面デカ男よ？

「いってら～」じゃない！

止めなさいよもう！！

「あなた、鬱くんのなんなの」

『いや、なんなのと言われても。お友達としてお世話になっていることしか身に覚えがないわね』

「はぁ？独り占めして、何様よ」

これは…貴族たる者

上品な受け答えをしなくては

ロボロにあれだけ言ったのだから

自分が出来なくてどうする

私は仮にも姉なのだから

『あなたは鬱さんの特別な何かなのかしら？それならお邪魔して申し訳ないわね。私はしがない"ただの"友人な者で、あの人から恋人の一人も聞いたことがなかったので知らなかったわ』

「べ、別に…恋人ではないけれど」

『あら？違うの？ならどうしてあなたが私に文句をつけるのかしら？分からないわね、私とあの人はただの友人なのに』

「でも…でも仲が良すぎなのよ！あの人はみんなのものなの！」

『それは鬱さんがご自分で仰られたのかしら？ご自分で、自分はみんなのものだと』

「これは私達みんなで決めたことよ！誰も特別になっちゃいけないの！」

『それが本当なら可哀想ね、鬱さん。もしあなた達の中に想いを寄せる方がいても、幸せになることは出来ないのだから。そうでしょう？』

「あなたが邪魔してるのよ！分かるでしょ！？」

『あなた達の邪魔はしているかもしれないけれど、鬱さんの邪魔をしている気はないわ。あの人も望んで私といてくれているの、勝手に決めつけないでちょうだい』

「なんなのあんた！いい加減にして！」

あらら…

思ったよりもしぶといわね

面倒だわ

初めてよこんなの

「消えなさいよ！！」

『っ、だから！あなた達が勝手にっ』

張り上げた声が

口を塞がれたことで止まる

「なーにやってんの？」

後ろから私の口を塞いだのは

いつものヘラヘラした彼だ

「うっ、鬱くん！」

「なかなか帰ってこおへんからさぁ、何かあったと思うやん？」

『鬱さん、あなた聞いてたの？』

「なんのこと？」

『……いいえ、何もないわ』

知らないふりもいいところね

目が笑ってないわよ、あなた

「あのっ、鬱くん！私ね、…」

「あぁ君…名前なんやっけ？ごめん、覚えとらんわ。もうこの子返して？」

「え…」

いいの？

鬱さん

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