だいじなだいじなお兄ちゃん【約束のネバーランド】

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初めは少しだった



『おにーちゃん』

「おいそれやめろ、一つしか変わらないだろ？」

『分かった！レイ！』




『レーイ、今日も一緒に寝よ』

「もう7歳だろ？」

『まだ甘えたい年頃なの！』




「おいAちょっと…」

『！…またあれ？いいよ！』




『レイ、意外と髪ふわふわだよね』

「いいだろ別に…」

『うん、きもちい』




最初は少し

ほんの少し触るだけ


頭撫でたり、抱き締めたり

簡単なボディータッチ


ここには本当のママも

本当の兄弟もいないから


レイもちゃんと誰か一人からの

無償の愛が欲しいんだ


そう思うとレイを甘やかしたくて

もっとグズグズになるまで愛したくて


そうやって最初のウブなスキンシップが

いつの間にかエスカレートしていって


ふと気づくと…



「あ…っ、はぁ…」

『ちゃんと息しないと…大丈夫？』

「…もっとやれ」

『うん…』




なんでか知らんが


キスする仲になってしまった


ーーーーーーーーーーーーーーーー


「Aー！」

『フィル！今日も元気だね、可愛い』

「ふへへ、レイは？」

『あれ、俺ってやっぱりレイとセットなの？レイならエマとノーマンに連れられて朝ごはんの準備してるけど』

「聞いただけー、今日レイと一緒じゃないの？」

『なーに？フィルは俺と遊びたいのかな』

「遊びたーい！」

『いーよ、クリスとシェリーも誘おっか』

「さそうー！」



可愛い弟とレイとは

年の差もあるし区別してるけど


兄であるレイを可愛いと思うことや

俺でいっぱいにしたいと思うことは


きっと弟に思うような愛情とは

違うんだ



『レイ、今日も読書？』

「あぁ」

『俺今日はフィル達と遊んでくるよ』

「…今夜図書室来い」



図書室は俺達の合言葉

今日はあれの日


まったくレイってば

俺が取られちゃって寂しいの？


行かないでって言えないから

代わりに2人の時間が欲しいんだよね



『分かった。でも今日はコニーが行っちゃう日だから、見送った後だね』

「…あぁ」



兄弟が里子に出される日はいつも

俺を呼ぶんだ


多分、レイも兄弟の別れが悲しい

んだろう


クールなフリして

ほんとは寂しがりなんだ



「Aー？」

『あっ…ごめんごめん、やろっか』

「うん！」



まぁ、レイが唯一弱みを見せれるのは

俺に対してだけってのは





正直、半端なくクる

.

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