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『…え、と…』
「おまたせー…て、あれ？どうかした？」
どのくらい黙りこくっていたのだろう
気づいて声を上げた時
運悪く奥村さんが帰ってきた
「おかえり英ちゃん」
「はい…あの、何かあったんですか？」
「…なんでもないよ、それよりもどうだったんだい？Aちゃんの怪我は」
伊部さんはさっきまでのことを流し
奥村さんには話さなかった
半分助かったような
困ったような…
「あっ、えーっと…レンドゲンで分かったんだけど骨が少し欠けててね、でもそれは自然にくっついてくれるらしいから気にしなくていいそうだよ」
『そうですか、良かった…』
「肝心なのは傷ついた神経。その神経は決して治ることはないから、どうすることも出来ないんだって。神経が傷つくと、感覚が鈍ったり痛みが出たり人によって様々だけど、一生付き合っていくしかないって…」
「動かせなくなるってことかい？」
「あっいや、そういう訳ではないらしいです。ただ患部に触れた時の感覚が他と違って感じるとかくらいで、生活に支障はないって」
『なら不自由になるとかの心配はないんですね』
「うん、安心していいよ……本当にごめんね、傷跡だけじゃなくてこんな後遺症の残る怪我を負わせてしまって」
眉を垂らした奥村さんが
深々と頭を下げた
その行動に私はギョッと目を見開いた
『や、やめてくださいっ、大丈夫ですから…それにこの怪我、多分相手側の流れ弾だと思うし…』
「え…？」
『だって奥村さん、車の中で言ってたじゃないですか。"アッシュの銃の腕は凄い"って、"外さないんだ"って』
「そう、だけど…他の子とか」
『…たとえこれがアッシュ達によるものだとしても、怒りなんて出てこないです。全然、怒れないですよ』
そうだ、思い出した
何でアッシュ達に出会えて嬉しいと
思ったのか
巻き込まれてよかったと
思ったのか
ギャングなんてろくなもんじゃない
銃を使うなんて恐ろしい
それでも、その全てを受け入れてしまう
何かが彼らにあったから
だから私は嬉しかったんだ
優しさだ
彼らには優しさがある
怪我を負った一般人
そんなの私が彼らなら手当すれば十分だと
すぐに放り出す
けど、彼らはそんなことしなかった
病院にまで連れて行って
これからも面倒を見てくれる
そんなの、優しさ以外に何がある
見返りか？報酬か？
違う、彼らはそんなもの見ていない
単純な優しさ
私はきっとそれに惚れ込んだ
.
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絵描きさん(プロフ) - 葵惟さん» あぁぁ…最終回という単語だけで一気に悲しくなりますよね…。BANANAFISHは名作です、一生愛します←アニメが終わってもずっと書き続けるので、これからもよろしくお願いします！ (2018年12月22日 1時) (
レス) id: 2c9b4e9ca8 (このIDを非表示/違反報告)
葵惟 - 夢主とアッシュたちの心の距離感がよく表現されていて面白いと思いました。BANANAFISHが最終回を迎えて悲しい思いでいっぱいでしたが、この作品で少し悲しさが紛れた気がします！これからも、更新頑張ってください。応援しています。 (2018年12月21日 17時) (レス) id: 891032b2a0 (このIDを非表示/違反報告)
絵描きさん(プロフ) - ぷーさん» ありがとうございます！無いに等しい文才ですが頑張らせて頂きます…！ (2018年11月25日 1時) (レス) id: 2c9b4e9ca8 (このIDを非表示/違反報告)
ぷー - 拝読させていただきました。とても面白かったです。心理描写も細かく書かれており、思わず見入ってしまいました(笑)。これからも更新、頑張って下さい。陰ながら応援しています。 (2018年11月24日 19時) (レス) id: a9f7b4749c (このIDを非表示/違反報告)
絵描きさん(プロフ) - kmmmさん» ありがとうございます！！更新頑張らせていただきます！！ (2018年11月1日 21時) (レス) id: 2c9b4e9ca8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：絵描きさん
| 作成日時：2018年10月30日 1時
