13 左馬刻side ページ15
最近あいつと
話をしていない
朝起きて俺が家を出たあと
あいつが二度寝から覚めて学校へ行く
その時、当たり前に着る制服が
女物であることに気づいた
あいつがうなされていた日だ
珍しく帰ってすぐに寝てしまったようで
着替えだけして倒れ込んでいた
側に制服を置いたまま
元から薄々気づいてはいたんだ
妙に女らしい顔にあの身長
服さえ女らしくしていたら
間違いなく女だと思われるだろうなと
だけど、本当にそうなのかを確かめる
術もなく
ズルズルと引きずって来てしまった
おまけにまずいとこまで踏み込んだせいで
ガードも固くなって迂闊に聞けない
もし予想通りなんだとしたら
銃兎には言えない
男ならまぁ許せるが
高校生の女を連れ込んでるなんて
こんなんで豚箱行きはごめんだ
合意だろうがなんだろうが
こういうのに関して世間は厳しいしな
こいつのこと調べてもらおうと
思っていたのに
銃兎が使えないなら仕方ねぇ
頼みたくなんざねぇがあいつしかいない
《なんか用かよ、クソ野郎》
「左馬刻さんだろうがこのクソガキ」
《はぁ…で？ほんとになんの用だよ。言っとくがてめぇからの依頼なら受けねぇからな》
「ハッ…そうもいかねぇんだな、これが」
《あ？》
「……くそっ…こんなことおめェに聞きたかねぇけど、こればっかりは他に聞けねぇんだよ。なぁ……たの、む…」
大嫌いなクソガキに何かを頼むなんて
TDDにいた頃が最後だ
二度とねぇと思っていたのに
腹が疼く
どうしようもねぇくらいイラつく
何が好きであいつに依頼なんて…
けど、俺にはどうしようもない
こいつしかAを知る奴はいないんだ
頼れるのは、このクソガキだけ
《…意外だぜ、アンタがこの俺を頼ってくるなんてな》
「うるせぇ、好きでやってんじゃねぇよ」
《……まぁ、今回はAに免じて聞いてやるよ。何があったんだ？》
Aにとってこのことが地雷なら
下手にそれを誰かに広めるのは
きっと嫌がるだろう
そう思い少し渋った
俺はあいつを助けると言ったんだ
こんなことをしたかったんじゃない
それでも
今まで嫌な思いをしてきたんだろ？
もう、お前は自由に生きていいんだ
俺がそうさせる
だから一度だけ許してくれ
「あいつのことを調べて欲しい。男だと思ってたが、女の線が出てきた。あいつの家族関係から周囲との関わりまで、全部調べろ」
お前がどんな奴でも
俺が全部受け止めてやる
.
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絵描きさん(プロフ) - ぺらさん» 分かる(´-ω-｀) 左馬刻様をもっと普及させるためにも頑張ります〜 (2018年12月9日 0時) (
レス) id: 2c9b4e9ca8 (このIDを非表示/違反報告)
ぺら(プロフ) - もう、推しが尊い (2018年12月5日 5時) (レス) id: 30c81c3732 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：絵描きさん
| 作成日時：2018年10月18日 14時
