12 一郎side ページ14
咄嗟に呼び止めた
Aはまだ何か？とでも言うような顔で
俺の声に振り返った
俺はお前と左馬刻が今後どうなっていくか
なんて知らない
けど、これだけは多分
はっきり言える
"なんか用かよ、クソ野郎"
"左馬刻さんだろうがこのクソガキ"
"はぁ…で？ほんとになんの用だよ。言っとくがてめぇからの依頼なら受けねぇからな"
"ハッ…そうもいかねぇんだな、これが"
"あ？"
"……くそっ…こんなことおめェに聞きたかねぇけど、こればっかりは他に聞けねぇんだよ。なぁ……たの、む…"
「お前、自分が思ってるよりずっと大事にされてるよ。あいつに…左馬刻に」
『…ありがとうございます、慰めてくれて…嘘でも嬉しいです』
嘘じゃない
けど、今はそれでいいや
左馬刻の手助けなんて
死んでもやりたくないしな
左馬刻があんなに悩んでるところなんて
初めて見た
でも悩んでるからこそ
他人じゃなくて自分らで解決しないと
だからAには悪いが
すぐには上手くいかせない
もう無理ってとこまでめっちゃ悩んで
そんで分かり合う
そういうもんだろ？
昔、酔ったあいつが口をこぼした
ことがあった
それまで聞いたことなんてなかった
家族のことについて
俺だって二郎と三郎の3人で住んでる
親はいない
だけど、左馬刻のはきっと
そういうんじゃねぇんだよな
きっと、ずっと
嫌なことがあったんだよな
その時ふと感じたあいつの弱さに
昔の俺は力になってやりたかったんだ
だからどんなワガママも聞いたし
どんなにパシリにされたって構わなかった
けど、根本的な所はなんも変わってなくて
結局心は傷だらけのままで
でもそれが逆にあの人を強くした
けどその時気づいてしまったんだ
その強さに憧れた俺はなんて嫌な奴
だったんだろうと
俺のその憧れは
あの人を更に傷つけやしないかと
分かってる
あいつはそんなにヤワじゃない
だけど、自分の過去を過去と割り切って
忘れられるほど強くもない
あの人に憧れる俺は
あの人を救うことは出来ない
それから、左馬刻の背中を追うのはやめた
悔しかった
不良に成り下がった俺を見つけて
構ってくれたのはあいつだったのに
俺じゃ、家族という溝は埋められない
傷は癒せない
だから
もしもお前があいつの側で
あいつを救えるのならその方がいい
左馬刻なんて嫌いだ
けど、助けてやりたかったから
ほんの少しの
幸せくらいは願ってやるよ
.
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絵描きさん(プロフ) - ぺらさん» 分かる(´-ω-｀) 左馬刻様をもっと普及させるためにも頑張ります〜 (2018年12月9日 0時) (
レス) id: 2c9b4e9ca8 (このIDを非表示/違反報告)
ぺら(プロフ) - もう、推しが尊い (2018年12月5日 5時) (レス) id: 30c81c3732 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：絵描きさん
| 作成日時：2018年10月18日 14時
