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「あぁでも、すぐキレるし気に入らないととことん文句言うから、器がでかいとは言わないのか…?なんて言うんだろうな。周りに惑わされないっつか、自分の意志をちゃんと持ってる奴だから、大抵のことは何の躊躇もなく受け入れちまうんだよ」

『…なんか…よく分かんないっす』

「あー…俺も分かんねぇ。えーっと、例えば…外国とかにはあっち系のお姉さんが一定数いるだろ?日本でもいるけど、あんまり理解されてないって感じで否定的な偏見を持ってるやつが多い」

『そうですね…』

「でも、あいつにとってその当たり前みてぇになってる考え方はあくまで他人のもので自分の意志じゃないから、なんも知らねぇのに嫌うことはないって言うか…見たもの感じたものが全てって感じがする」

『…偏見がないってそういう……?』

「そういうこと。まぁそれは最初だけで、接してきてこいつ無理ってなったらコロッと変わると思うけどな」


昔の左馬刻さんを知ろうと思っていたのに

いつの間にか普通に聴き込んでしまった


現在進行形の左馬刻さんのことを

また一つ知れたのは良かったけど


『……そうか…』

「ん?」

『あ、いや…』


実のところ

あの件を相談しようか迷っていた


左馬刻さんに秘密がバレているのに

何も言ってこないこと


過去のことに一度踏み込んできてから

全く話さなくなってしまったこと


もちろん一郎さんだから隠さず話せる

わけがないから


全てを話すつもりは無かった

でも、そうなのか…


左馬刻さんは、もしかしたら

俺が女だと言っても受け入れてくれるかも


とっくの昔に大事なものを失い

兄の処理に使われていたことも…


今まで周りから気持ち悪いと言われてきた

だけど、彼は当たり前な考え方をしない


なら、ひょっとして…


そこまで考えて思い止まった


やっぱり無理だ


どんなに周りに流されない人でも

兄と致していたことをなんとも思わない

人なんていない


『……左馬刻さんは十分優しくて思いやりが出来る人です。ほら、置き手紙書いてくれてるし…昔よりきっと、大人になったんだと思います』

「そーだなぁ…」

『…ありがとうございます。色々教えてくれて…そろそろ左馬刻さん帰ってくる時間なのでご飯作らないと…』

「あ、そうか…じゃあ…」


なんだろう

前よりもモヤモヤする


そんなに見方が欲しいのか?

駄目だ、これ以上欲しがるな


これ以上、期待するな



『じゃ…』


「……A」

.

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絵描きさん(プロフ) - ぺらさん» 分かる(´-ω-`) 左馬刻様をもっと普及させるためにも頑張ります〜 (2018年12月9日 0時) (レス) id: 2c9b4e9ca8 (このIDを非表示/違反報告)
ぺら(プロフ) - もう、推しが尊い (2018年12月5日 5時) (レス) id: 30c81c3732 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:絵描きさん | 作成日時:2018年10月18日 14時

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