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『全然、いい話じゃないですよ?本当にいいんですか?』
「俺は聞くだけだ、お前こそいいのか?話したくないんだろ?」
『…仕向けたのはあなたじゃないですか、左馬刻さん』
あれだけ身の上話を聞かせたくせに
そう口を尖らせてボヤくと
まぁな、と左馬刻さんは笑った
『…うちの家系は、代々学歴の高い人ばかりでした。俺には兄がいて、その兄も難関校に進学するほどの天才なんです』
「へえ」
『俺も出来る人間だったから、両親は俺を大事にしていたと思います。愛を感じ取れるほど、たくさん愛してもらっていました』
愛を十分に貰えなかった左馬刻さんに
こんな自慢みたいなこと言いたくないけど
これが始まりなんだから
しょうがない
『中学に上がった頃、俺は自分の性に疑問を持つようになりました。それまでは自分でも当たり前だと思っていて、あまり気にしていなかったんです』
「まぁ身体の成長から言って、そのくらいだろうしな」
『…髪は短いのがいいのに、母は長くしろって言ったり…スカートの制服が嫌と言うと、周りに合わせろと強要してきました。でも、それはまだ我慢できたんです。俺のわがままだから…』
「………」
『母は私服の好みさえ否定してきました。女らしくしろって、一度俺の服を全部捨てられたこともあるんですよ』
「それ大丈夫かよ」
『あはは、代わりに女の子の服が用意されてました…そんなことが続いて、俺は俺自身を否定されることが許せなくて、怒りに任せて言ってしまったんです。「俺は男だ」って』
そしてそれから、"あれ"は始まったんだ
地獄のような、辛い日々が
『それから、両親は俺を家族として見なくなりました。元々頭の固い人達だから、こういう性別の不一致なんて理解出来なかったんだと思います。両親は俺を突き放し、兄にだけ愛情を注ぎました』
「………」
『兄はそんな俺を見て、可哀想と思ったんでしょう。誰からも必要とされない俺を、救ってやろうと……兄は俺に役目を与えました。「俺がお前を構ってやる」って、暇さえあれば俺を部屋に連れ込み、弄びました』
「それって…」
『セッ クスです、気持ち悪いでしょう?あの人はいらなくなった俺を見て、優越感に浸ってたんです。兄に拾われた俺は、兄の役に立っていると錯覚して喜んで足を開きました。俺には…兄しかいなかったんです』
兄に縋り
ただ抱かれ続ける3年間
周りから慕われる兄が
そんなゲス野郎だなんて
俺には言えなかった
.
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絵描きさん(プロフ) - ぺらさん» 分かる(´-ω-`) 左馬刻様をもっと普及させるためにも頑張ります〜 (2018年12月9日 0時) (レス) id: 2c9b4e9ca8 (このIDを非表示/違反報告)
ぺら(プロフ) - もう、推しが尊い (2018年12月5日 5時) (レス) id: 30c81c3732 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:絵描きさん | 作成日時:2018年10月18日 14時