噂の転入生・3 ページ11
心の中で舌打ちを繰り返していると、それが顔に出ていたのかティアお姉様に注意された。
ティアラ「アナスタシア顔に出てますよ」
『ですがお姉様！アカリ様ったらハルトナイツ様にベタベタと…！ハルトナイツ様はお姉様の婚約者なのに……まさか教室でもあのような!?』
顔を青くしてティアお姉様を見ると、お姉様は眉を下げて微笑む。意図を察して開いた口が塞がらない。
ティアラ「少しね、少しだけよ。彼女の奔放さが羨ましいかもしれないわ」
『お姉様…』
ティアお姉様はハルトナイツ様を好いているかもしれない。けど、こんな人に私はお姉様は渡せない。こんな人じゃお姉様を幸せになんて出来ない。お姉様にはもっともっと素敵な人がいるはず。
アカリ「もう一曲踊りましょう！」
ハルト「はっ!?」
そんな会話が聞こえてきて頭が真っ白になる。視線を2人に向けると、2人は二曲目を踊っていた。チラリとティアお姉様を見るとなんとも言えないような苦しそうな顔をしていた。そんなお姉様に私も涙が出そうになる。
『お…お姉様…』
ティアお姉様は私の呼び掛けにこちらを向くことなく返答する。
ティアラ「アナスタシア、なんですかその顔は。気を強く保ちなさい。こんなことで心を乱していては他の方々に示しがつきません。私達はラピスを賜るものなのですよ」
そう言うお姉様は微かに震えていた。それがまた痛ましくて悔しくて、静かに2人を睨みつけた。
曲を終えた2人にティアお姉様が注意をする。それを横目に今後のことを考えていると、アカリ様が駆け寄ってきた。
アカリ「アナスタシア様に婚約者が居たなんて知りませんでした！」
『いえいえ』
アカリはさらにネオンナイト殿下に向き直り
アカリ「あの…ネオンナイト様、私と踊ってくれませんか？」
アカリ様は瞳を潤ませ上目でネオンナイト殿下を見つめる。ネオンナイト殿下は一瞬嫌そうな顔をした後、私を見た。
((だから何故王子は皆の私達に意見を仰ぐ！それくらい自分で決めてよ！))
私は何も言わずにニコニコしていると、ネオンナイト殿下は溜め息をついてダンスを踊りに行った。
そんな2人を遠目で眺めていると、ほんの少しだけ心にチクッと痛みが走った。何故かは分からないけど、2人をみているのが嫌になり1人でベランダに逃げた。
そんな私をネオンナイト殿下が悲しそうに見つめていたなんて知る由もない
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ポウ(プロフ) - また更新してほしいです。楽しみにしてます！ (1月25日 22時) (
レス) id: 4b00597d9c (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 更新楽しみにしています！頑張ってください(*´艸｀*) (2021年7月26日 1時) (レス) id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
sandklove27(プロフ) - 好きです！夢中で読んでて睡魔も忘れ夜更かししてしまいました！続きが楽しみです(^ ^)更新楽しみに待ってます!! (2020年8月16日 23時) (レス) id: 31853c290c (このIDを非表示/違反報告)
いちご大福 - 続きが楽しみです。２でお願いします。 (2020年6月14日 10時) (レス) id: 7f3ea4f68c (このIDを非表示/違反報告)
ゑる(プロフ) - アンケートにご協力いただきありがとうございました！！近々続きを投稿します！ (2020年4月11日 15時) (レス) id: 7fc3612902 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゑる | 作成日時：2019年9月15日 12時
