琥珀色に染まる【ツイステ】 (ページ15)

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14 再来アンバー！ページ15

素早く去っていくケイトに制止の声をかけたが留まることなく消えてしまった。後は2人で話し合えとケイトは言っていたが、2人と言うのは恐らくトレイの事だろう。

真正面からこの気持ちを伝えるだけの勇気を、覚悟を、私は持ち合わせていない。あぁ、そうか。結局の所、私は臆病者でこの気持ちを明るみに晒す事を恐れている。受け入れてもらえたとしてその事を家の人に隠し通す覚悟もない。
トレイが私の事を大切に思う気持ちは分かっている。必死になってここまで抱えてきてくれたのだから。でも、だからといって。私が募らせているこの想いはきっと、トレイが持ち合わせる感情とはベクトルが違う筈だ。

無理だ。そもそも告白して私はどうなりたい？想いを伝えたとしてその先はどうするつもりなんだ。

｢応援してる、なんてダイヤモンドは言ってくれたけど…やっぱり私にはその勇気も覚悟も足りないよ｣

どうしようもなくなり、気持ちがそのまま口から零れる。ふぅ、と溜息をつき大きく息を吸って深呼吸をする。両頬をバチン！と手で叩き気持ちを切り替える。このままここにいても仕方ない、今日はとにかくリドルに謝っておこう。最悪、いやほぼ確実に首が飛んでしまうだろうな…と苦笑いを浮かべ部屋を出た。

筈だった。

ドアを開けると目の前にトレイが立っていて、そのまま手を引かれて再びベッドまで戻ってきてしまった。…？何で手を握る…!?びっくりしてポカンとしてしまったが我に返り焦り始める。

｢えっ、ク、クローバー｣

｢…カエデ、聞きたいことがあるんだ。答えてくれないか…？｣

｢…う、うん……｣

何を聞かれるか、心臓の音が物凄い勢いで駆け巡る。身体には緊張が走り無意識の内に手を握り締めていた。

｢カエデ、カエデは…その…ケイトの事が好きなのか？｣

開いた口が塞がらない、とは正にこの事だ。何で、いや…え、えぇ…？？？困った。どう答えるのが正解なんだ？流れに任せて気持ちを伝えてしまいたい。でも…。

答えあぐねていると急にこんなこと聞いて悪い、と謝ってきた。

｢いや…、大丈夫。えっと、それより何でクローバーは私の答えを聞きたいんだ…？｣

どういう意図でトレイがその質問をしたのか定かではないが、少なくともからかったり冗談でそんな事を聞いているわけじゃないことは分かる。でも、それはつまり…

少しの期待と不安が入り交じったまま、私はトレイの返答に耳を傾けた。