ツンギレ1 ページ3
何でこうなったんだろう、、、。
ズル、ズル………ズル、ズル………
今、私は長い長い長ーい廊下を、おかしな帽子を被った男に引きずられている。
(え、頭が追いつかないんですけど、、何?この人誰?え?帽子のセンスなくね?チビじゃね?(失礼)え?誰?)
もう一度状況を整理しようと、記憶を遡ること1時間前________……
「あぁー!!また!?!落ちた!?!」
これで5回目。私のバイトの落ちた回数。
敬語の使えないこの口の悪さと容姿のせいで、面接は毎回一発K.O.。本当に嫌になる。
「孤児院追い出されて、高校も中退して、一人で生きていくしかないのに、、。」
賑わうヨコハマの昼の空気を吸い込み、私は一人呟きながら歩いた。
生まれた時に親に捨てられ、孤児院に入った私は、この難アリの性格のせいで周りに上手く馴染めず、すぐに孤児院を追い出された。
幸いその時、寮ありの高校に入学が決まっていて、生活面で困ることはなかったけど、そこでもやっぱりこの性格が邪魔をして、高校を中退することになった。
つまり私は今、人生最大の大ピンチである。
(生きていくのにお金が必要なのに、バイトが出来ないって…もう神様私に死ねって言ってるよね)
今の気分に合わない嫌なくらい綺麗な青空をぼんやりと眺め、近くにあったベンチに座った。
(あー、この先どうなんだろ。とりあえず仕事探さなきゃだよね、、あーーー、)
「良い仕事ないかなぁ、、」
『手前、仕事探してんのか?』
びっくりした。
誰かに聞かれるとは思わず、独り言のつもりでボソッと放った言葉に、返答があったのだ。
声が聞こえた後ろを恐る恐る振り返ると、一人の男と目が合った。
『名前は?』
瞬間、私の非日常的な物語が始まった。
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作者名:その辺に生息してる佐藤 | 作成日時:2019年7月9日 19時