166話 ページ23
目が覚めたらナースコールを押せって言われたけど
しばらくは一人でいたいし
まだ押さないでおこう
『あぁ…体バキバキ、痛てぇ…』
4ヶ月近く寝てたんだし
こうなる事は分かってたけど
『いざなると、結構キツイな』
それにしてもこの部屋
異様に綺麗だよな
看護師さんが掃除してくれてるのかな？
それに
この花…
さっき気付いたけど
まだ新しいよね、全然枯れてないし
『アネモネ、だっけ…？』
一体誰がこの花を…
そう思った時
廊下から足音が聞こえた
聞きなれた足音…先生かな？
いや、なんか違うな…
って、あれ？
私、どうして聞こえて…
ガラガラッ…
私の心の声を遮るように
病室のドアが開く
そして、そこに立っていたのは
『あ、おはよう』
黒尾「お…前、起きた…のか？」
『みたい、だね』
あぁ…神様
これはちょっと意地悪じゃないですか？
黒尾「Aッ！！」
次の瞬間
クロは私のいるベットに駆け寄り
私を強く抱きしめる
黒尾「お前ッ！起きるのおせぇんだよ！」
『うん、ごめんね』
泣きながら私を抱き締めるクロは
暖かくて、優しい
私の知る、大好きなクロのままだった
黒尾「急にいなくなりやがって、探してもどこにもいねぇしよ…！」
『うん』
黒尾「そんで気づいたら病院で寝てるし、ずっと…起きねぇもんだから…」
『うん』
黒尾「良かった…ほんとに良かった…」
クロの、こんな弱った声
初めて聞いた
『ごめんね、ごめんねクロ』
黒尾「俺はそんな頼りねぇのかよ？」
『ちがっそんな事ない！』
違う、そうじゃない
そうじゃないんだよクロ
これは私のわがままなんだよ
黒尾「じゃあ、なんでなんも言ってくんねぇんだよ…」
段々と弱々しくなるクロの声が怖い
よく見ればクロは少し昔よりやつれている
心が締め付けられるように苦しい
気を抜いたら泣いてしまいそうだ
黒尾「約束しろA」
『え…』
気付けばクロは赤くなった目で私を見つめていた
まっすぐ私の目を
黒尾「絶対に俺の傍を離れるな」
黒尾「俺を置いて行かないでくれ…」
『…うん』
なんで細かい音が聞こえるのかとか
考えることはいっぱいあるんだろうけど
それは取り敢えずどうでもいい
今は目の前のクロの事だけ考えよう
『クロ』
黒尾「なんだ…？」
ずっと会いたかった
誰よりも愛しい
あなたの声が聞きたかった
心から
『愛してる』
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かるび - ハイキューにハマって読んでみたら、めちゃくちゃ感動しました！私こういう系大好きなので…。周りのキャラクターとかもしっかりかっこいいし可愛いしでやばかったです！！ (2022年8月4日 9時) (
レス) @page34 id: 147f3c2932 (このIDを非表示/違反報告)
みるく - ほんとに大好きな作品になりました。読んでたら夜中の3時w一日で読み終わりましたw最高すぎてもげます( (2022年3月2日 2時) (レス) @page28 id: ec7e47412c (このIDを非表示/違反報告)
名無しの弁慶(プロフ) - 読み専さん» ご感想ありがとうございます(｡ᵕᴗᵕ｡)2日で読み終えたんですか！？ありがとうございます！！作品中に伏線ばらまいちゃったのでまだ番外編はまだ続くと思います、気長にお待ちください！ (2021年12月31日 10時) (レス) id: 659ccac67a (このIDを非表示/違反報告)
読み専 - こんな長編で読み応えのあるもの初めてで、2日で読み終えてしまいました…笑 お疲れ様です！続きあるのですかね？まだあるのなら、楽しみにしております💗 (2021年12月31日 10時) (レス) @page29 id: 0067091e87 (このIDを非表示/違反報告)
名無しの弁慶(プロフ) - 杏仁豆腐さん» ご指摘ありがとうございます！ (2021年10月27日 6時) (レス) id: 659ccac67a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無しの弁慶 | 作成日時：2021年10月25日 18時
