魔と人間のハーフの子(3) (ページ47)

今日:9 hit、昨日:12 hit、合計:31,433 hit

141. ページ47

『え、現世？』

甲斐田「そう、来年の四月にね」

弦月「いきなりこんな話してごめんね」

『うん、まぁ大丈夫だけど』

とある非番の昼時に

唐突に持ちかけられた現世行き

前からこの話はあったようだが今年は魔が多く先延ばしにされていたが

来年には魔の数も減少する傾向にあるとなって

また話が持ち上がったそうだ

『そっか現世ね、いいじゃん』

長尾「だろ？お前も行くよな？」

『え、私も？』

甲斐田「そりゃそうでしょ」

弦月「言ったでしょ、ずっと一緒だよ」

『…はぁ、そーだったね』

正直、知らない場所に行くのは少し怖い

何があるか分からないし

もしかしたら想定外のことが起こるかもしれない

でも、多分何とかなるだろう

だって私には、心強い家族がいるからね

『四月か、丁度私達が初めて会った月だね』

弦月「そうだねぇ、現世に行く前にお花見でもしよっか！」

長尾「お！いいじゃん！」

『花見酒〜♪』

甲斐田「飲みすぎないでよね…」

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

その日の夜

珍しく今日は皆お酒を飲まず

四人でしばらくゆったりと談笑をしていた

『そう言えば、前に櫻月風が教えてくれた曲も現世の曲なんだよね』

弦月「え！どんなの？」

『行った時に原曲聞けばいいでしょ』

弦月「えー」

長尾「まぁまぁ、いいじゃん歌ったれよ」

『便乗すんなし…晴ちゃんもなんとか言ってよ』

甲斐田「僕も聞きたいな」

『お前もか…』

そんな期待の眼差しで見ないでくれ

そんな顔で見られたら断れないでしょうよぉ…

『はぁ…分かった、いいよ』

弦月「やったー」

『クソ…私の弱点を熟知してやがる』

長尾「そらァな」

甲斐田「腐ってもお前の家族ですから」

『厄介だわァ…』