魔と人間のハーフの子(3) (ページ39)

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本部に着き医療室に入ると

数名の医療班の人間がベットに寝ている一人の男を囲っていた

『皇都の医療班が数人がかりでねぇ…フーン』

「お前は…！」

『特殊医療班所属の月尾田咲耶です、親族の方から直々に治療を仰せつかりました、通して頂いても？』

「あ、あぁ……」

急な私の登場に戸惑っているのか

医療班の人達は少したじろぎながらも道を開けた

開かれた道を通り男の前まで行く

『これは…』

『少し触ります』

意識はかろうじてあるようだが、見るからに重症…

このままだと後数十分しかもたないな

『この場に運んだ時点でこの様態だったのですか』

「え、あぁ…」

『フム……おかしいですね』

「な、何がよ」

『彼は見たところ怪我をしてから一時間から二時間経過しています、ほら、呪いが進行している』

私が黒く膿んだ傷口を見せると

数人が眉をひそめ口を覆った

医療に長けている者たちがこの程度の傷口でこのザマか

「お、俺たちが嘘をついてるって言いたいのか！？」

『はい、そう聞こえませんでしたか？』

『本来このタイプの方は私たち特殊医療班の元に来るはず』

『大方、私達に頼るのが嫌だったみたいですが、それは患者とは何の関係もありません』

『仕事に私情を持ち込まないでいただきたいですね、三流様方』

「貴様ｯ！！」

「何様のつもりよ！！」

甲高い声で喚くなよ…人ですらなかったか

『今にも死にそうな患者を前に、自分のプライドを優先したあなた方が私よりも上だと？』

『冗談は性格だけにしてください』

「なんて事をｯ！」

「このことは上に言わせてもらうからなｯ！」

『どうぞどうぞ』

思ったよりも馬鹿みたいだな

今のことを上に言ったところで処罰されるのは自分達なのに

ぞろぞろと部屋から出ていく医療班を見送り

私は再び目の前の男へ向き合う

『我が神天ヶ瀬清乃神よ、かの人の妖魔の呪いを清め安らぎを…悪気掌握』

次いでに傷口も塞いどいたし、こんなもんか

「……ゆ」

『ん…？』

喋った？回復早くね？

てかなんて言ったんだろ…

「みゆ…」

『……兄妹…ね』

はぁ…帰ろ