マンキー (ページ8)

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その日以来、というかその朝以来松村くんと関わることがぱったりなくなってしまった

向こうからは全く話しかけるそぶりすら見せないし

結局あの日どういう経緯であの状況になったのかは分からないままだけど

私から話しかけるタイミングもないまま5月に入ろうとしていた

その代わり？と言っていいのか松村くんの友達の田中樹と仲良くなった

席が斜め後ろで何故かよく私に声を掛けてくれる

樹「ねぇA～あれ買って来て飲むヨーグルトの苺のやつ」

『嫌だよ』

樹「え～じゅったんからのお願い♡」

パシリにされたかと思ったら

樹「はい、よくできました！」

って頭をポンポン撫でられたり

樹「数学のプリントやった？」

"写すから見せて"と言うから渡したら

樹「あれAここ違くね？」

『え、うそ』

樹「ほらここ代入したらこっちも掛けるべ？」

逆に私が教えられてたりする

不覚にもドキッとしてしまう自分が嫌だ

最近は1年生の男子も交えて学食で昼ご飯を食べることがあるらしい

名前は知らないけど長身でハーフの人とがたいの良い人だった気がする

そのせいか休み時間になるとユキちゃんや京本くんが教室に寄って来ることが多くなった

授業の流れでいつものように樹と話していると

ユキちゃんが"北斗は今日何にする？"なんて話してるのが聞こえて

ユ「ほら樹も行こ！ちょっと樹、本当Aちゃんのこと好きだよね」

自分のこと知りもしないと思っていた人から名前を呼ばれて彼女の顔を見る

ユ「Aちゃん知ってる？この人いっつもAちゃんのこと可愛いって言ってるんだよ？」

樹「いやなんかお前が言ったらガチみたいな空気になるだろ笑」

ユ「え、でもAちゃんも樹のこと好きでしょ？」

樹「は、？」

『え？』

樹とユキちゃんは勿論、今教室に来た京本くんまでもの視線が一気に集まる