マンキー (ページ39)

今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:13,396 hit

39 ページ39

樹「このメンツなら大丈夫だ、よしいけ！」

"うぉっ"という声と共に恐らく誰かに押されて勢いよくでてきた北斗

北「お帰りなさいませ♡ご主人さ、ま…」

目の前でガン見していた私と夏子、追ってでてきた樹まで吹き出して大爆笑

"ほんと嫌いだわ～"とか言いながら頭を抱えてる

夏「君たちさっきから全部丸聞こえだから笑」

樹「どうどう？似合ってるべ？」

夏「なぁ田中、胸詰めすぎだよグラドルかて」

黒いワンピースにフリフリのエプロンのメイド服、確かに本人の言う通りゴリゴリの女装感は否めないけど

ふわふわの髪の毛に前髪のポンパドール姿はトイプードルにしか見えない

『ほくちゃん、、かわいい…』

しゃがみこんでいた彼の頭を撫でようと手を伸ばしたらその手を掴まれる

北「ま、事実だから謙遜はしないよ？しないけど…」

"お互い様"

そう言ってそのまま反対の手で私の顔をぎゅっと掴む

『ん、』

北「てかあなた具合大丈夫なの？」

返事をしようにも出来ないからとりあえず頷く

北「ならいいけど、無理はしないでよ」

そう言って自分の席の方に行ってしまった

素っ気ない、けど

樹「A見てあれ、あいつめちゃくちゃ平然を装ってるけどすげぇ耳真っ赤なの笑」

『そうなの、ほんと分かりやすい笑』

好きだなぁ

樹「にしては、よくずっと気付かなかったよな？」

『？、何が？』

"北斗がずっと好きだったこと"

確かに告白してくれた時、彼は1年の頃からって言ってくれたけど、まさか自分のことなんて思わないでしょ

あれ？待てよ、

『北斗が私のこと好きだってずっと知ってたの？』

樹「まぁ少なくともお前が北斗のこと好きって知る前に北斗が瀬川Aのこと好きっていうのは知ってたよ」

そう言われてみれば、

ユキちゃんが私と樹をくっつけようとしたのは私に目移りさせる為じゃなくて北斗に私を諦めさせる為で

大我の言っていた"確変"は私の好意が北斗に向いていたことを知っての言葉で

樹が私に北斗への気持ちを"隠す必要ある？"って言ったのもわざとだったってこと？

だとしたらみんなの言動が全部腑に落ちる

『そういうことか…』

もう伏線回収もクソもないな