第35話 ページ36
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だから、そのことで謝られても、俺は返答に困るだけだ。
なんで、なんでこいつのことを凪は好きになったんだよ。
こんな鈍臭くてボケッとしてて
ふらふらしててうるさいやつ。
俺が無言でAのことを見つめていたら、Aは申し訳なさそうに、不思議そうに、俺のことを見つめ返した。
やめろ。そんな目で見るな。俺だって凪のことを否定したいわけじゃない。こいつのことが嫌いなわけじゃない。でも。
御影「仕事あるんじゃないのかよ。」
そっけない返事をしてしまう。
流石に諦めてくれるか。そう思った。
『ま、まって!』
まだ諦めていないようだ。
『あ、の...凪くんにも、また伝えといてくれませんか。ごめんねって。』
御影「自分で言ったらどうなんだよ。」
『でも、凪くん、も、怒ってるかもしれないし、また私が何かしでかしちゃったら怖いんです。』
寂しそうな顔で俯いている。
なんだよ。凪から好かれてるっていうのにメソメソしやがって。
変な勘違いしてんじゃねぇよ。
御影「アイツは怒ってねぇよ。
むしろお前のこと心配してた。」
『へっ、』
びっくりした顔でこちらを見てくる。
『!!!良かったぁ...』
心底嬉しそうだ。満面の笑みを浮かべている。
御影「...」
Aにならアイツのことを任せられるかも。と少し思ってしまった自分を殴りたい。
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作者名:みぃ | 作成日時:2022年12月1日 18時