39.もつ鍋 ページ39
Aside
黎弥に連れて来られたのは、もつ鍋屋さん
黎「ここのもつ鍋まじうめえから」
なんて、サッと注文を終えた黎弥はまるで常連さん
店「失礼します」
先に運ばれてきたのは注文してた、黎弥のビールと私のレモンサワー
黎「じゃあ、乾杯」
「かんぱい」
黎「あ〜まじでジム終わりのビール最高」
「美味しそうに飲むね」
黎「Aはビール飲まないの？」
「んー、苦手かな」
黎「舌がまだおこちゃまなんだよ」
「わーひどーい」
黎「棒読みすぎるでしょ笑」
たわいもない会話。
出会った当初は、2人でご飯行く関係になるなんて思いもしなかったな、
暫くして、鍋の準備が整い煮込まれるのを待った
鍋に集中してた目線を黎弥の方に向ければ、ビール片手にボーとしていて、何かを考え込んでいる様子
「…なんかあった？」
黎「え？」
「ぼーっとしてたから」
黎「……Aって、夏輝くん以外の男の人ともあんな感じで喋るんだーって考えてた」
「……ん？」
……あんな感じ？
黎「俺も誘ってよ。ってちょっと妬いちゃっただけ」
その瞬間、私は両手で自分の顔を隠した
黎「え、なになに！？なんで顔隠したの！？」
私もわかんない
だけど、今まで以上にドキドキして耐えられなかった
黎弥のことだから、妬いた という言葉に特に深い意味は無く
ただただ、先輩方と一緒に踊りたかったということなんだろう
黎「えー？笑Aちゃ〜ん、おーい」
そんな反応を見てまた大笑いしてる黎弥を無視して、何事も無かったかのようにレモンサワーを飲み干した
「なんでもない」
黎「本当かよ笑」
今日1日ずっと黎弥にドキドキしてる
何なのこれ、、ほんとわかんない…
自分の気持ちにあたふたしていると、鍋はもう既に食べ頃になっていた
黎「もういい感じじゃん！食べよ食べよ」
そう言って、私のお皿にもつを盛り付けてくれた黎弥
「ありがとう、」
黎「は〜い」
ニッと綺麗に上がる口角
その笑顔に再び鳴り始めた心臓の音がうるさくて、
その音をかき消すように、もつを頬張った。
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作者名：まここここ | 作成日時：2023年5月27日 23時
