ネコみたいな〜瀬口黎弥〜 (ページ33)

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33.解放ページ33

Aside

澤「A、色々気づいてあげられなくてごめんね」

何で、夏輝くんが謝るの？

「……謝らないといけないのは私だよ…この前怒鳴ってごめんなさい。」

澤「全然気にしてないよ」

昔からそうだ、夏輝くんは優しさの塊でできてる人。

だから私、その優しさに甘えちゃうんだよ

澤「さっきちょうどお父さんから連絡あって、Aに謝っておいてほしいってさ。Aはもう俺とは連絡すら取ってくれないだろうから。だって」

詳しく聞けば、祖母は泣きながら父を叱ったらしい。

それもあってか、父はやっと観念したみたい

澤「借金の事はどうしたの？」

「借金も返さなくていいみたい。黎弥が弁護士さん紹介してくれてね、それで」

澤「黎弥？」

私の言葉を遮り、驚いた表情を浮かべる夏輝くん

「…うん、どうしたの？」

澤「……いやなんでもないわ。まあ全部一件落着したなら良かったわ。じゃあ俺明日早いから帰るね」

「あ、うん、色々ありがとうね。気をつけて帰って」

澤「はーい」

なんか、最近元気ない？

なんて

気のせいかな

夏輝くんのあのニコニコした顔最近見たことないような、、

考えすぎかな…今度ごはんでも誘ってみよ

なんてそこまで気には止めなかった。

私の中では今日全てが解決して、解放された喜びが大きかった

次の日からは本業のダンスに集中した

徐々に県外からのお仕事のオファーも増え、最近はオフの日がないくらい忙しい日々

気づけば、父の重荷から解放されてから1ヶ月も経っていた

夏輝くんに会ったのもあれが最後

最近は、FANTASTICSも忙しいみたい

ﾎﾟｷﾎﾟｷ

友達も少ないため、普段はあまり通知のこないラインの通知

堀夏喜『お久しぶりです。今度、一緒に踊りたいです。』

そういえば、私の踊りに1番目を輝かして見てくれてたな〜

いつが空いてるかな、

自分のスケジュールを確認して、行ける日を送る

堀夏喜『4日大丈夫です！』

明明後日に堀さんとの予定が決まり、またLDHの事務所に行くことになった

「黎弥居ないかな、」

ふと、声に出していた

え、ちょっとまってちょっとまって

なんて言ったの私、なんで無意識に黎弥に会いたがってんの

意味わかんない、

結局、最後までモヤモヤした気持ちが何なのか気づかないままだった。