ネコみたいな〜瀬口黎弥〜 (ページ31)

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31.解決ページ31

Aside

夏輝くんが帰ったあと、結局朝まで眠ってしまった。

ズーンと体が重い

よかった、今日レッスン無くて、

ただ夜になれば、好きでもない服装をして働きに出かけなきゃいけない。

そんな事を考えたら体がさらに重くなった

時間が過ぎるのは早いもので、ゴロゴロ過ごしてたらすぐに出勤の準備を始めないといけない時間になった。

ツケマを付けて、濃くアイラインを引いて
髪の毛は大きめのカールに巻いた

丈の短いタイトワンピースを着てヒールの高いパンプスを履いて、思い足取りでマンションを出る。

「タクシー居るかな、」

そう独り言を呟いて、道路を見渡していると

いきなりガシッと誰かに手を掴まれた

「えっ……」

黎「行くぞ」

そう言って掴んだ手を引っ張られ、強引にどこかに連れていかれる

「何してんの！？今から出勤しなきゃ、」

黎「もう行かなくていいから」

「……何言ってんの、」

黎「だから、払わなくていいんだって！とりあえず、弁護士のとこ行ってっから。」

どういうことかわからず、瀬口さんに黙ってついて行った

法律相談所に付いて、弁護士さんと顔を合わす

弁「少しだけお話は聞いてます。詳しくこちらでお話伺いますので」

何が何だかわからず、ただお父さんとの間であったことを全て話した。

その間瀬口さんは、外で待ってくれていた。

弁「闇金から借りたお金は、返す義務がないので返済の必要はありません。」

うそでしょ……無知って怖い。
そう思い知らされた。

「……実は」

闇金の会社から何度か職場にも迷惑電話がかかってきてたりしたこともあり、その事も全て打ち明けた。

その後、弁護士さんが色々対処してくれて、そんな嫌がらせも今後一切無くなるようにしてくれた。

今までのしかかってた不安やストレスが一気に軽くなった。

弁護士さんとの話を終え、外に出れば不安そうに私を見る瀬口さん

その瞬間、何かが切れたように涙が溢れた

黎「……」

そんな私を見て、そーっと私に近寄りギュッと優しく抱きしめてくれた。

あーもう、私あんなところで働かなくていいんだ、

借金に追われることなんてないんだ、

一頻り泣いたあと、瀬口さんから離れてそーっと顔を見あげると
優しく頭を撫でてくれた

「……ありがとう、」

黎「どういたしまして。帰ろっか」

そう言ってまた、手を繋いで歩き出した。