19.酔っ払い ページ19
Aside
将「あ、電話かかって来ちゃった。」
嘘でしょ……
絶対に瀬口さんの方には向きたくなくて、ずっと将吉さんの相手をしていたのに、部屋から将吉さんが出ていってしまった。
恐る恐る瀬口さんの方を向けば、ずっと私を見ていたのか直ぐに目が合った。
「……は、初めまして、」
黎「初めまして?」
少し低い声。……怒ってるの?
怒っているのはずっと将吉さんの相手をしていたからだろうか…
黎「…初めまして。ねー……まあとりあえず飲みなよ」
そう言って瀬口さんからはウィスキーを渡された
私のお酒のキャパはもうとっくに過ぎてる
黎「……何時まで?」
私だけに聞こえるような声
「…体入なんで0時までです……」
黎「帰り、送る。」
「え、でも…」
黎「いいから。」
0時を少し過ぎて、店長に呼ばれた。
店「どうだった?体入は。意外とAちゃん向いてるかもよ?とりあえず、今日の時給分この封筒入れといたから。正式に始めるかどうかは、また連絡待ってるから。」
やっと終わった体入、私服に着替えて外に出た途端何かが切れたように酒が体中に回った。
まっすぐなはずの道も、歪んで見える
や〜ばいやこれ、私、めちゃくちゃ酔っちゃってる
「……わっ!」
黎「…っぶね」
フラフラと歩いていると、何かにつまづいて転けそうになったのを瀬口さんが受け止めてくれた。
「あ〜ありがとうございま〜す…へへっ」
黎「まって、酔いすぎでしょ!弱いなら言ってよ!飲ませるんじゃなかった…」
なんて、1人で焦ってる瀬口さん
黎「今日は、ちゃんと話せる状態じゃなさそうだし……タクシー捕まえるから!A住所言える?」
なんとか少しだけでも正常な脳を働かせる
「えーと…えーと…この前の、、公園で下ろしてください運転手さん……」
黎「いやまだタクシー乗ってねえから…わかった公園ね」
タクシーをなんとか捕まえた瀬口さんは私が言った通り、この前瀬口さんと遭遇した公園にお願いしてくれた。
公園に着けば、お金を払って瀬口さんも一緒に降りた。
「え〜?一緒のとこで降りて大丈夫ですか〜?」
黎「俺の家もこの辺だし」
「ほえ〜…」
黎「で、Aの家は?」
「もうちょっとで〜す」
フラフラ歩く私の肩を瀬口さんはずっと支えてくれていた。
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作者名:まここここ | 作成日時:2023年5月27日 23時