ネコみたいな〜瀬口黎弥〜 (ページ12)

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12.一緒にページ12

黎弥side

鏡の前でイヤホンつけて自由に踊ってるその人は、まったく俺に気づかない。

もう3分くらいはいるんだけど、

だけど、その踊り方は昨日会ったほっしーさんの踊り方そっくりで、まさかと思った

いやでも、マスクもしてないし髪も下ろしてるし
ガールズグループの誰かじゃ、、

なんて考えていると、ターンをしたその女の人と目が合った

「え！？い、いつから！？」

その人は、やっぱりほっしーさんだった。

黎「…今来ました」

なんて嘘をついた。

黎「早いっすね…」

「時間間違えちゃったんですけど、受付の方がどうぞ〜って言ってくれて…」

黎「あー…なるほど。」

・・・

これ程までに沈黙が辛い事はあっただろうか。

てゆうか、この人マスク忘れてんの？簡単に素顔見れちゃってんだけど……
そもそも、マスクは顔を隠すためにしてたものなの？

なんて考えていると

「……あの、一緒に踊りますか…？瀬口さんがわかんない所ゆっくり教えるので……その」

黎「お願いします」

そう言うとびっくりした顔をした。

断ると思ったのかな…でもマンツーマンで教えてもらう機会なんてなかなか無い、今断ったら後悔すると直感で返事をした。

昨日の振り付けを頭から最後までゆっくり通した。

「あれ、できてる。瀬口さん苦手そうでしたよねこの動き。」

黎「昨日、教えてくれたじゃないですか…公園で」

「…あ、あの時は本当にすみ…」

黎「ありがとうございました。ほっしーさんに教えて貰ったらすぐに出来ました。…教え方めちゃくちゃ上手いっすね」

「そ、うですかね…？ありがとうございます…でも、魅せ方が上手くなってるのは、瀬口さんがたくさん練習したからだと思います。」

そう言って、俺の目をまっすぐ見つめた

最初は、愛想もなくて冷血な人だなんて勝手に思っていた

こんなに真剣に向き合ってくれて、細かく教えてくれているのに、八つ当たりをしてしまったことを後悔した

黎「ほっしーさん…昨日は本当に…」

ｶﾞﾁｬｯ

昨日の事を謝ろうとしたタイミングでリハ室の扉が開く

大「え、早くない！？いつから踊ってたの！2人とも汗びしょびしょじゃん！」

時計を見ればリハの時間の10分前でゾロゾロとメンバーが入ってきた

最後の方におはようございま〜すと入ってきた夏輝くんが目を見開いてほっしーさんに問いかけた

澤「マスクは？」