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ななじゅいち ページ23

「そこまで云うなら見せて貰おうか。その能力とやらを!」

「おや、それは依頼かな?」

「失敗して大恥をかく依頼だ!」

「あっはっはっ!最初からそう頼めばいいのに」

「ふん。何の手掛りもないこの難事件を相手に大した自信じゃないか。60秒計ってやろうか?」

「そんなに要らない」





ニヤリと不敵な笑みを見せた江戸川がポケットから眼鏡を取り出し徐に掛けた。


其の一連を見守りながら玲は深い溜息を吐き出した




「(乱歩って言えば探偵社の中でも最も優れた名探偵…数々の難事件を意図も容易く解き明かす…)」



未だ遺体の傍にしゃがみ込んでいる玲は

女性の手首を見つめて、再び溜息を吐き出すと漸く腰を上げた




「おや、君も依頼で来たのでは?」

「この件に関しては引きますよ。僕には手に負えない」

「?またまた。既に解いているだろう」




そう。これは観察力が優れた人であれば解けない事件では無い。

遺体の状態的にはマフィアの手口に似ているが、これは似て非なるものだ。

何故なら彼女の顎は砕かれていないから。




「太宰さんと初めて会った時も、こんな遺体でしたねね」

「嗚呼。あの夜か」

「そこの乱歩さんって人が解きそうですし、僕はここら辺でお暇しまーす」



両の手を挙げて、まるで降参した犯人の様な立ち振る舞いを見せた玲



「成程ね。今回ばかりは相手が悪かったようだね」

「ははっ。こんな日もありますよ、じゃ」




乾いた笑みを貼り付けて次の瞬間玲の姿は消えていた


「え?!消えた!?」

「彼の異能力さ。敦君。彼と関わる時は気をつけた方がいいよ」

「え?でもさっきは大丈夫って…」


暫くですけど…と小さい声で言いながら太宰を見つめれば
緩く首を横に振られた


「生憎彼の本心は私でも読めないからね。まあけど嘘はつかないよ。本当に困った事があれば彼を頼るといい」

「は、はぁ」

「それより乱歩さんの推理を聞こう」


疑問点は幾つか有るが何より今は江戸川の推理を聞くのが先だと思い中島も1度玲の事を考えるのをやめた。








.





「もすもすー?さっきの依頼無理ですわー。え?何でも屋のクセにって、それは傷ついた〜〜!ってかあの状況で殺害を揉み消すってんなら関係者全員殺す以外無いですよ〜それでいいなら引き受けますけど」



フラフラと街中を歩きながら依頼主に電話をする玲
戯けながらも最後の言葉には感情の色はついていなかった。

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(プロフ) - 角部屋に潜む毛玉さん» 実はその他にも沢山誤字してるんですよ(小声)(ここだけの話)(モチベある時直します)(頑張ります) (2020年5月22日 13時) (レス) id: f09c3aa21c (このIDを非表示/違反報告)
角部屋に潜む毛玉(プロフ) - ろくじゅうろくの、顔が「買お」になっていましたよ‥‥(小声)応援しているので、更新頑張ってください! (2020年5月22日 13時) (レス) id: 07d92cd107 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 桐島さん» コメ有難う御座います!話を纏めるのに時間かかってて停滞気味ですが、これから少しずつ更新して行きます!応援のお言葉が凄く力になります! (2018年12月1日 18時) (レス) id: 5e1c605be1 (このIDを非表示/違反報告)
桐島(プロフ) - 続編!おめでとうございます!この作品大好きなので、更新楽しみにしてます!がんばってください、応援してます! (2018年12月1日 14時) (レス) id: 5b63c81a9f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年12月1日 12時

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