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なーな ページ8

片方の鼻の穴にティッシュを詰め込み、平和ボケした顔が、もうボケしかない顔になった少年

太宰は、再び混濁を込めた瞳で見つめる。


運転席では、部下が何時でも良い様に、腰元に手を伸ばしている。





生憎此処はまだ工場地帯。銃声が鳴り響いても、誰も気づきはしない。






「へ?え?なんすか?」

「…人間失格、を何処で知ったんだい?」

「え?教科書ですけど」

「きょ、うかしょ…???」

「えっ、え?何かもーさっきから良く分かんねー事になってないっスか?え?」

「……そうだね。君とはじっくり話し合う時間を設けなければいけなくなった」






自身の異能力が教科書に載ってる?そんな馬鹿げた話があるか。

知らない地名、自身の異能力を知る者



何処も彼処も話せば話すほど、噛み合わなくなる内容に、流石の太宰もお手上げだ。





「少年。今から駅に行っても電車は動いていない。良ければ私の部屋で、少し話をしないかい?」

「え?確か俺の家、駅からクソ近いんスけど。」

「駅の名はoo」

「えっ、やべ知らねぇ」





少しずつ太宰の脳内では、疑心が確信へと変わりつつあった。


勿論駅の名前は嘘ではない。今正に車はそこへ向けて進んでいるのだから。





「えーー?んん、じゃあおにーさ、太宰さんの所で1日お世話になりまーす」

「良い返事だ。と、云う訳だ。目的地を変更しておくれ」

「…良いのですか、太宰さん」

「嗚呼。私の敵ではない」





男の敵ですけどね!と何故か胸を張って主張する少年を一見し、3人が乗る車は、向かうはポートマフィア





「………そうだ。少年、名は?」

「あっ、永田玲っス!」

「玲か。宜しく頼むよ」

「うっス!」




何処か体育系混じりの敬語で返事をするが、不安は無いのだろうか?

先程から知らない土地 地名 駅名を述べられた挙句、人殺しの家へ向かっているのだが





「オジサンお手拭き無い?」

「貴様…」

「アイス触ったから手がもう、ほら、ベッタベタ!」

「その手で車に触れるな!」

「じゃあお手拭きくれよ!?!!」





…………もう今は深く考えるだけ無駄だ。

部下が差し出したウェットティッシュを使い、丹念に手を拭く玲と云う少年



謎は多いが、この胸の高鳴りは、きっと自分が未だ出会った事の無い未知との遭遇に、喜んでいるに違いない。





出来る事なら私の退屈しのぎになってくれ給え

はちー→←ろーく



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晋陽 - とても面白いです!!更新待ってます! (2018年4月1日 21時) (レス) id: c1e93ed5ca (このIDを非表示/違反報告)
アルテミス - おもしろかったです!夢主君がかわいすぎ (2018年3月25日 0時) (レス) id: ea23810468 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 山田琉愛さん» 山田さん!白烏に引き続き御愛読有難うございます!いつもコメントして頂き、その分頑張ろうと思えています!これからも宜しくお願いします!(^ω^) (2018年3月4日 5時) (レス) id: 5e1c605be1 (このIDを非表示/違反報告)
山田琉愛(プロフ) - 新作おめでとうございます!この時点でもう面白いからこれからどうなっていくのかとっても楽しみです!無理しない程度に頑張ってください!応援してます! (2018年3月2日 1時) (レス) id: abb9ea5a9e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年3月1日 1時

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