なんてこった

よんじゅうご ページ46

《 玲side 》




ーー天罰が降ったんだ。


ギリギリと僕の首を締める班長を前にして、身体は生きようと藻掻くのに、頭は何処かクリアで



あの日からずっと離れなかった班長の最後の姿



ポートマフィアは、主に森さんは内心喜んでいたと思う。

自分で言うのもなんだけど、此チート気味た異能力の甲斐あって、元々身体能力マイナスな僕が今では戦場の前線に立って居るのだから。




思わぬ収穫

進む為には犠牲は必要



何とも合理的な考えだ。





僕も班長に殺されるなら本望だ。





｢考え事かよ。相変わらず舐め腐った餓鬼だな｣

｢んぎ"っ、かっ…ーーーーっ｣







それでも……



班長、ごめんなさい……







異能力 ーー 『 忘られぬ死 』







ぐちゅりっ





肉を突き破り、骨を破壊し、皮を貫いた音





｢がふっ｣

｢げはっがっ、はっーひゅ、はがぁっ｣




一気に入って来た酸素に暫く噎せ返る





｢な"、で……｣

｢はっ、はぁ…っ、はんちょー…｣




僕の水柱に貫かれ、身体の真ん中をポッカリと空けた班長

多分これ幻覚だと思うけど





｢ま、た、…お"れを、ごろ、ごろす、のか…｣






班長………





班長班長班長班長班長班長班長班長班長……-






貴方があの日、最後に言った言葉が有る限り、僕は誰の手であっても死を逃れる








｢ははははははっ！！！………はぁ………思ったより早く解いちゃったんだねェ。よくあの人形が原因だって分かったね｣

｢如何にも、って感じでてたからね〜…げほっ｣

｢でもあの人、君の大事な人だったんでしょ？よく簡単に殺せたね？現実じゃないから？…それともどうでも良かったから？やっぱり自分の命が一番大事だもんねぇ？？｣





夢野くんの瞳の柄をじっと見つめ、漸く落ち着いてきた身体を起こしあげる




現実じゃないから？

どうでも良かったから？

自分の命が大事だから？







｢まぁでもいいや！お兄さんが苦しんでる姿を見れたからね！来た時からヘラヘラ幸せそうな顔してて、僕そんな人の苦しんでる顔を見るのがすっっごく好きだから！｣

｢ありがとね、夢野くん｣

｢…………は？？？｣





お陰で再確認した




｢お礼に僕の夢を教えてあげる｣

｢何言ってんの？｣

｢班長に殺されること。勿論、幻覚とかじゃなくてね！｣






ぽかんとした表情の夢野くん。

年相応の表情をしていて、何故か笑が漏れてしまった

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