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さんじゅよーん ページ35

「やぁ、今日もいい天気だねぇ」

「日光が殺しに来てる」

「中々粋のある死に方だねぇ」

「そーですねー」

「玲って朝だと割増でテンション低いよね」




んーー。と云いながらフラフラと隣を歩く玲

ぶつかりそうになる直前に、太宰が手を引いて自分側に寄越す。


夜になると至って元気になる玲は、代わりとは云わないが、朝は酷くテンションが低い。

今日は非番に加えて、隣に太宰が居るからか安心しきった表情で街をキョロキョロと見渡す






「あ、そーいえば初任給入りやしたよぉ」

「嗚呼。もう1ヶ月経ってるんだっけ?否未だ1ヶ月か。もっと長く一緒に居る気がするね」

「そうっスね。それと思った以上の額が手に入ってガクブルでしたわ」

「ふふ。それだけ今月の玲の功績が良かったからだね」

「もう暫く働かなくていい…!」

「否、それは首領が許さないだろうね」

「エリスちゃんにお願いしよ」





そうなったら流石の森さんも困るだろうなァ。とクスクス笑う太宰に、暫くニートだうへへ。と悪い顔をする玲

2人が自然に寄った場所は、色とりどり生きる花




「コレ下さい」

「畏まりました」





袋片手に更に歩く事数十分

着いた先は、街が一望出来る丘



そこに小さな墓石







「班長、おはようございます」





玲は太宰にも、中原にも誰にも見せた事の無いような笑を浮かべ、買ってきた花を置く

ゆらゆらと線香が揺れる度に、独特な匂いが鼻をかすめる。




「僕ね、遊撃隊隊長になりましたよ。銃の腕はやっぱ上がんなかったっスけど、真逆の異能力が備わっちゃいました。」




へへっ。と笑いながら冷たい墓石をそっと撫でる。

グッと眉間に皺を寄せ、何かを耐えるように再び唇が動く





「もっと、もっと早くこの力を手にしてたら…あの日…班長を、救え…救え…………っ、うっ…」





遂に嗚咽を漏らしながら、藍の混ざった瞳からぽたぽたと雫がこぼれ落ちた。

後悔の渦は1日たりとも消えた事は無かった。あの日班長の話をちゃんと聞いていれば、もっと自分に自覚があれば、力があれば、班長は死ぬことは無かった。



寧ろ、自分が居なければ、こんな冷たい石の中で眠る事も無かった。





言葉にならない気持ちが、涙と一緒にこぼれ落ち、蹲っている玲の背中を太宰が優しく撫でる。


服越しから伝わる太宰の手の温もりと、手から伝わる墓石の冷たさが、生きている人間と死んだ人間を顕著に表していた

さんじゅーごーう→←さんじゅさぁん



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晋陽 - とても面白いです!!更新待ってます! (2018年4月1日 21時) (レス) id: c1e93ed5ca (このIDを非表示/違反報告)
アルテミス - おもしろかったです!夢主君がかわいすぎ (2018年3月25日 0時) (レス) id: ea23810468 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 山田琉愛さん» 山田さん!白烏に引き続き御愛読有難うございます!いつもコメントして頂き、その分頑張ろうと思えています!これからも宜しくお願いします!(^ω^) (2018年3月4日 5時) (レス) id: 5e1c605be1 (このIDを非表示/違反報告)
山田琉愛(プロフ) - 新作おめでとうございます!この時点でもう面白いからこれからどうなっていくのかとっても楽しみです!無理しない程度に頑張ってください!応援してます! (2018年3月2日 1時) (レス) id: abb9ea5a9e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年3月1日 1時

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