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にじゅさーん ページ24

ダッと班長が走り出し、後ろ手で押された玲




「行け!!!!」

「っち、面倒臭い。おい、餓鬼を追え!」

「行かせるかよ!!!」

「っと」




ブンっと男の喉元目掛けて振りかざした刃物は、ギリギリに交わされ、それと同時に飛び交う銃声

瞬時に男の部下の銃を引ったくり、応戦する班長






「ッチッ!!何時まで傍観してんだ!!さっさっと行け!馬鹿!!!!」

「ヤダ!!!僕も、僕も戦う!!」

「うぉおお!!!」

「はっ」

「永田!!」




バンッ

ガシャァンッ

バンッバンッ!!






玲の横から鈍器の様なモノを振りかざした男は、班長の弾がヒットし、そのまま糸が切れた様に動かなくなった


垂れる血が足元に付着するのも気付かず、玲は目の前の光景から目を離せなかった






「班長…………?」




2発の銃声

1つは肩、もう1つはど真ん中を捉えていた




敵の真ん中で動かなくなった班長







「あ、あ…………」

「ったく、事務処理班がしゃしゃり出るんじゃねーよ!」






グシャッ ボキンッ






妙に耳に響いた嫌な音と、有り得ない方向に曲がった班長の腕

玲の目から音も無く涙が落ちた






「班長の必死の抵抗虚しく、また捕まった理由だけど、今度はご機嫌いかが?」



嘸面白可笑しく話しかける男の声は、今の玲の耳には届いていなかった。


どれ程身体を揺すぶられても視線は横たえる班長へと注がれる。





「まァ安心しなよ。彼奴が来たらもう1度目の前で殺してやるから」

「な、で…」

「はァ?」

「なん…で、何で…班長……」

「何でって、そりゃお前が弱いからだろ」








僕が弱いから、班長が死んだ…?

どうにかなると思っていた



人が、大切な人は死ぬ事等無いーーと








其れは今まで平和な世界で暮らしていた玲にとって、極普通の思考だった。

幾らマフィアと言えど、している仕事は事務処理。


血腥い行為とは無縁。


危機的状況でも、何故かどうにかなると思っていた






だって、この世界は自分が居るはずの無い世界だから




そんな自分の所為で誰かが死ぬーーなんて事無いと思っていたから








でもどうだ?



目の前で動かなくなった班長は



最後まで自分を護ろうと、助けようとしてくれた班長は






もう、此処にはーー居ないーーーー?









「…………のに」


「また何か文句がおありで?」




ならばーー






「………お前が死ねばよかったのに」

にじゅよん→←にじゅにー



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晋陽 - とても面白いです!!更新待ってます! (2018年4月1日 21時) (レス) id: c1e93ed5ca (このIDを非表示/違反報告)
アルテミス - おもしろかったです!夢主君がかわいすぎ (2018年3月25日 0時) (レス) id: ea23810468 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 山田琉愛さん» 山田さん!白烏に引き続き御愛読有難うございます!いつもコメントして頂き、その分頑張ろうと思えています!これからも宜しくお願いします!(^ω^) (2018年3月4日 5時) (レス) id: 5e1c605be1 (このIDを非表示/違反報告)
山田琉愛(プロフ) - 新作おめでとうございます!この時点でもう面白いからこれからどうなっていくのかとっても楽しみです!無理しない程度に頑張ってください!応援してます! (2018年3月2日 1時) (レス) id: abb9ea5a9e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年3月1日 1時

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