１４真実の涙 ページ14
犬「もしかして…マズイ事を聞いちゃったのかな？」
A「っ！へ…平気よ」
犬「そうかい？顔色が悪かったみたいだったけれど…」
A「ううん、本当に大丈夫だから」
感情的にならないように、必死になって何とか誤魔化した。暫くの間、お互いに気まずい雰囲気が漂っていた。それから、気分が落ち着いた私は、勇気を持って犬神に話し掛けた。
A「ごめんなさい、心配かけてしまって…」
犬「そんな事ないさ、Aがこうなってしまったのも、私が原因だからね…」
ギュッ
A「っ！…犬神////」
犬「父親や母親のいない私は、愛情というものを誰からも注いで貰った事がなかった…きっと、Aと言う存在をずっと求めていたのかもしれない…」
A「！？私と言う存在…」
犬神はこれまで自分の力だけで生きてきた。家族や愛情を知らない彼は、誰かに愛してほしいが為に、もしかしたら私の事を選んだのかも…。
犬「私の言う事に嘘は存在しない、でも…Aを手にいれたいと言う欲求が爆発してしまって、力ずくであんな愚かな事を…」
A「…」
今の犬神は、まるで幼い子供のようだった。彼の様子を見続けてきたが、嘘泣きではなく本当の涙を流していた。
スッ…
犬「っ…A？」
A「辛い事が有るのなら、思いっ切り泣いて良いのよ、貴方の思いは受け取れないけれど…側にはいてあげる」
犬「…本当か？」
A「うん！」ニコッ
犬神が落ち着くまで側にいる事にした。恋人としては見れないけれど、お互い友達関係でいる事に決めた。
…
吾輩は更に山奥へと来ていた。月明かりがあるお陰で、近い場所は何とか見えていた。
土「確か、この辺りからだったとは思うが…」
辺りを隈無く探した。
ー土蜘蛛ー
土「！！」
まただ。先程と同じ人物の声がした。だが、声の正体は既に分かっていた。
土「A！」
声が聞こえてきた場所…其処は、小さな洞窟だった。恐らく人間の手で彫られたのであろう。薪や石が無造作に散らばってた。ところが、その中でも一際美しく光り輝く物を見付けた。
土「之は…Aが首元に身に付けていた物…」
こんな高価な物を落とすとは…。吾輩の予想では恐らく何者かにより拐われた。今、Aの事を救えるのは吾輩だけ。
土「吾輩が心から愛した女、誰であろうと容赦はせぬ！」
タッタッタッ…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 21人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
甘栗(プロフ) - 奈乃さん» あらら、そんなにですか！？でしたら、もっと好きになってもえるような小説を書かなければ…！ (2017年10月23日 17時) (
レス) id: 48eea68ba9 (このIDを非表示/違反報告)
奈乃 - 土蜘蛛好きになりすぎて、本家より、元祖はになりそう………。 (2017年10月23日 16時) (レス) id: e19d1310b2 (このIDを非表示/違反報告)
甘栗(プロフ) - 奈乃さん» そう言ってもらえて光栄です♪土蜘蛛と夢主ちゃんがどうなるのか暫しご期待を！ (2017年10月22日 18時) (レス) id: 48eea68ba9 (このIDを非表示/違反報告)
奈乃 - この小説を読んで、土蜘蛛好きになりました！ (2017年10月22日 11時) (レス) id: c59f4f4f60 (このIDを非表示/違反報告)
甘栗(プロフ) - キノコさん» ありがとうございます♪私なりに表現していくので、暖かな目で見守って頂ければなーと思います！ (2017年8月14日 7時) (レス) id: 48eea68ba9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：甘栗 | 作成日時：2017年8月9日 16時
