可哀想な子 ページ9
なるほど....
「どーん!」
軽く投げて、布団の中に沈むフロイド。
ガバッと顔を上げ、ふかふかの布団を手で押す。
それはまるで猫のふみふみ。
あぁ、かわいい。
子供は嫌いなはずだ。それでもフロイドを嫌いとは今のところ1度も思わなかった。
そりゃ、少しムカつくことはあったけど。それでも嫌いとは思えなかった。むしろ可愛いとさえ、思っていた。
「ふかふかねぇ!!」
「ふかふかだね。」
「きもちぃね〜!!」
「そうだねぇ〜。」
ふかふかの布団の上に寝転がるフロイドの頭を撫でた。サラサラな髪の毛。本当に君は、海から来たの?そう思ってしまうほど。
不思議なことに、彼の髪の毛はもう乾いていた。
そのまま撫で続けると、眠ってしまった。
ふぅ、と一息。世の中のママさん、本当に大変なんだな。
これが、毎日か。
気が遠くなる。
そんな少し暗い感情が心にのしかかった。
しかし、そんな感情はぎゅっと握られた小さな手によって吹き飛ぶ。
私が、頑張らなくちゃ。
私が、弱気になってどうする。
自分の心を奮い立たせるには十分な小さな手だった。
夏の初めとはいえ、体は冷える。
掛け布団を体に掛け、髪を乾かしに1階へ降りた。
髪を乾かし終え、テレビをつける。
夜中の1時。
お世辞にも面白いとは言えない深夜番組を聞き流す。今日起こった出来事が、頭の中に流れ込む。
可哀想なフロイド。本当に、可哀想に。
きっと、寂しいだろう。
泣かないのは、現実を受け入れるのが難しいと判断した脳が、感覚を鈍らせているのだろう。
あの年頃なんて、お母さんの腕の中で眠っていてもおかしくないのに。
なんで、神様はこんな試練をあの子に与えるのか。気まぐれに、タチの悪い。ほんと。
考え込んでいると、2回から泣き声が聞こえた。
「フロイド?」
急いで2階へと駆け上がる。
ドアをどんどんと叩く音も聞こえる。
「フロイド、開けるよ?」
ドアを叩くフロイドの指を巻き込まないよう、ゆっくりと開ける。
床に座り込み、泣き崩れるフロイド。
ベッドから落ちたのか?怪我したのか?
なぜ泣いてるの?分からないからとりあえずだき抱えてベッドに戻る。
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カキ - 小さいフロイドに癒やされた……名前の変換できたら嬉しいです (2021年4月29日 12時) (レス) id: 4ea2abc19e (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな(プロフ) - 初コメ失礼します。フロイドのトイレどんどんめっちゃわらいましたwww。にしても可愛いですね〜 (2021年1月13日 21時) (レス) id: 53cc08d6c4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっこ(プロフ) - Jさん» 初コメありがとうございます!!応援ありがとうございまする、頑張りマッスル (2020年8月9日 15時) (レス) id: c74c94ff2f (このIDを非表示/違反報告)
ゆっこ(プロフ) - とっとさん» 尊い!!!(クソデカボイス) (2020年8月9日 15時) (レス) id: c74c94ff2f (このIDを非表示/違反報告)
ゆっこ(プロフ) - 奏音☆色音さん» いや、ほんと稚魚イド最高ですよね笑 養いたいです笑 (2020年8月9日 15時) (レス) id: c74c94ff2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆっこ | 作成日時:2020年7月26日 21時