違和感の正体 ページ4
1人きりになった部屋で、Aの帰りを待ち続けるクロウリー。あっちへ行ったりこっちへ行ったり、まるで緊張でじっとしていられない、出産中の妻を待つ夫のソレ。
外でガサガサと音がなり、窓際へと足早に近付く。
しかし誰もいない。代わりに、空には飛んでいる鳥がいた。木から飛び立った鳥の音だったようだ。
1時間ほど時間が経つが、帰ってくる兆しはない。
まだかまだかと、待ち続けていたそんな時
カタン
と２階から物音がした。
若しかすると瞬間移動で自室へ戻ってきたのかもしれない。そんな少しの淡い期待を抱きながら、２階のAの自室へと足を進める。
部屋にたどり着きノックをするも返事は返ってこない。
｢入りますよ？｣
扉を開けるもそこはもぬけの殻。
｢.......気の所為、だったのでしょうか｣
部屋をくるりと見渡すもAの気配はひとつも感じない。
ぞわり
その時何かが背筋を駆け巡る
クロウリーは気付かない。
自身の背後に凄い形相でこちらを睨んでいる男がいることを。クロウリーが耳にした物音は、時間になってもAがいないことに苛立っている男が立てた音だった。
後ろを振り向くも、誰もいない。
不快な空気に眉をひそめたが、その時にはもう男はこの場を去っていた。
｢はぁ.......疲れてるんでしょうかね｣
最近何かと立て込んでいましたし、と窓の外を眺めながら過去を振り返る。
あの時のまま、散らかった部屋。
少しでも片そうと、床に散らばる本を拾い集める。
適当に机の上に並べ、書きかけのルーズリーフを端へ固めた。1枚1枚見てみると、びっしりと予習復習の後が残っている。よく出来た子だと感心していたが、途中のページで固まる。
｢.......血｣
沢山あるルーズリーフの数枚に、血がこべり着いていた。
血の気が引き、言葉が出ない。ただ事ではないと理解したクロウリーは焦って周りを見渡す。
すると、ゴミ箱の中に衣類が捨てられているのを見つける。それを引っ張り出すと、肘からしたの腕の部分が切れて無くなっている上の服。その切断面には、夥しい血液が付着している。ズボンもだった。途中で布が無くなっており、やはりここにも大量の血が含まれている。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 773人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
クロ(プロフ) - コメント失礼します。もう、読む度に涙が…(/_;)更新楽しみにしてます！早く夢主に幸せが訪れて欲しいです… (2020年8月20日 16時) (
レス) id: 06dceaafd6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっこ(プロフ) - よるさん» コメントありがとうございますっ！自分の小説で泣いてくださるなんて.......！！ありがたすぎます！ (2020年8月18日 19時) (レス) id: c74c94ff2f (このIDを非表示/違反報告)
ゆっこ(プロフ) - 小宮さん» コメントありがとうございますっ！！父親はクソですね笑 多分誰か気づいてくれます！楽しみしててくださいぃ！笑 (2020年8月18日 19時) (レス) id: c74c94ff2f (このIDを非表示/違反報告)
ゆっこ(プロフ) - アップルパイ♪さん» コメントありがとうございますぅう！！........いつか帰ると思います(？)笑 これからもよろしくおねがいします！ (2020年8月18日 19時) (レス) id: c74c94ff2f (このIDを非表示/違反報告)
ゆっこ(プロフ) - 奏音☆色音さん» いつもコメントありがとうございますぅう！！地獄に落ちるよう願っといてください笑 これからもよろしくお願いします！ (2020年8月18日 19時) (レス) id: c74c94ff2f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆっこ | 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/novel/series/1297564
作成日時：2020年8月12日 15時
