ちょっと待て、それは聞いとらん。3【鬼滅の刃】

異変 ページ30

『.......あれ、私寝たはずじゃ......。』

私は部屋の真ん中に立っていた。

じゃあこれは夢？

でも考えたり、動いたり自分の意思が効く。

『.........明晰夢って言うやつじゃね？』

私は周りをキョロキョロとした。

この部屋は畳で出来ていて襖や障子で閉ざされている。

少し気味が悪かった。

『..........朝？え、じゃあ普通に次の日？』

閉ざされた障子から薄らと光が漏れていた。

朝なら小鳥やらこの家の誰かが起こしに来るとかないのか。

辺りはシンッ、と静かで小鳥の声さえしなかった。

まるで、私しか居ないような、そんな気さえ起きた。

私は思い切って障子を開けた。

スッと音もなく簡単に障子は空いた。

遮られていたぶんの光も目に入ってきて私は思わず目をつぶった。



“ひとつとや 一夜明けくれば 賑やかで賑やかで
お飾り立てたり 松飾り松飾り
二つとや二葉の松は 色ようて色ようて
三蓋松は 上総山上総山”



するとどこからが歌が聞こえ、ポーン、ポーンと何かが跳ねる音がした。

だんだん目が慣れてきてよく見えるようになった。

障子を開けたその先には、2人の女の子が手毬をしていた。



“ひとつとや 一夜明けくれば 賑やかで賑やかで
お飾り立てたり 松飾り松飾り
二つとや二葉の松は 色ようて色ようて
三蓋松は 上総山上総山”



2人は楽しそうに遊んでいた。
私はそれをただ眺めていた。



“ひとつとや 一夜明けくれば 賑やかで賑やかで
お飾り立てたり 松飾り松飾り.........”

『？！？』

もう一度2人が歌を歌った途端、激しい目眩に襲われた。

視界がグルグルと回り、だんだん歪んでいく。



“......二つとや二葉の松は 色ようて色ようて
三蓋松は 上総山上総山”



最後はあの二人の歌と懐かしい景色(現代)が見えたような気がした。









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“──もう直ぐ帰れますよ──”









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『....................ッ！』

私は目を覚ました。


夢と同じ景色。

閉まりきった襖と障子。

畳。

そして、障子から漏れる光。



だが、たった一つ。夢とは違うことがあった。

「──ッ！───！」

何処からか声が聞こえる。

私は襖を開けた。

またもや、夢と同じように光が眩しく目をつぶった。

？「ッ、禰豆子は人を襲わない！！」

その声に私は思わず振り向いた。



そこには。

『たん、じろっ.......！』

炭治郎が柱達に囲まれていた。

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