五話：毒蛇【五条悟】 ページ5
※微甘
許嫁は純愛などかすりもしないと思っていた。
でもそれはただの偏見だったようだ。
「お前の許嫁の五条悟様だ」
その一言で今まで見てきた世界が一層鮮やかになった。
美しい白髪。六眼を持つ晴天のような青い瞳。スラ、と伸びた身長や手足。落ち着く低い声。
素敵な人だった。
でもこの想いは出会った時から一方通行だった。
何をしても彼はそっけない。
仕事で疲れた、と言い訳をして接しようとしない。
あのような完璧な人間に私とは不釣り合いなのだろうか。
日に日に鮮やかだった世界は色褪せていった。
そんなある日、私は家にいたって暇なので街に来ていた。
「A様、何かお求めになる物は御座いますか？」
「いえ、ないけれど街並みを見ていたいの」
車によって建物が流れていく。
「どこかオススメの場所とかないかし....ら...、」
信号で車が止まり、運転手にそう聞いた時、あるものが目にとまった。
「...悟様？」
「A様？どうなさいましたか？」
私の目線の先には彼がいた。
彼は私の知らない女の人と一緒にいた。
その方は一体何方なのですか。
その疑問が浮かぶが、信号が青に変わり、車が動いた。
街並みと共に彼と女性も流れてゆく。
「.....もう家に帰りたいです」
「承知致しました」
家に帰るなり、侍女もそっちのけで自室に引きこもる。
彼の隣にいたあの女性は誰？
もしかして、浮気...？
やはり彼に私は釣り合わなかった？
彼は私との婚約は嬉しくなかった？
ぐるぐると疑問が脳内を埋め尽くす。
私は必要ない？？
その答えが出た時、息が止まった。
それからの記憶はない。
気付けば、物凄く強い力で腕を掴まれていた。
「──！悟、様...？！」
「何してんの」
彼が私の前にいた。
彼の瞳に私が映っていた。
少しの優越感。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 48人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
∞輪廻∞(プロフ) - マリイさん» 再びリクありがとうごさいます！！乞うご期待お願いします！ (2021年1月28日 22時) (
レス) id: a7a0dcccc8 (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - ∞輪廻∞さん» もう１つリクエストで夢主が虐められてる所とリスカしてる所を建人が見たら (2021年1月28日 22時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)
∞輪廻∞(プロフ) - マリイさん» うっわ、なにそれ良き！！むっちゃ面白そうやん！リクエストありがとう！！ (2021年1月9日 22時) (レス) id: a7a0dcccc8 (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - リクエストで夢主がスリルを求めるアドレナリン中毒＋戦闘狂でナナミンが夢主の面倒見てる設定見たいです (2021年1月9日 22時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：∞輪廻∞ x他1人 | 作成日時：2021年1月9日 22時
