三話:戦闘狂と世話係【七海健人】 ページ3
※リクエスト
「──はぁ、いい加減にして下さいと言った筈です。」
七海が呆れ気味に溜息をつきながらそう言う。
「えー?別に良くね?私、死ぬこと以外はかすり傷がモットーだし。
まぁ、あんな
それに対し、私はあっけらかんと言い返す。
事実、死ななかったし良くね?
「折れた肋骨と右足と肩の損傷で今後の任務に影響が出ると次は無いかもしれませんよ。」
そう言いながら七海は私をおんぶしようと屈む。
「へいへい。でも反転術式使えるし。無理だったら家入先輩がやってくれるし。
あと、七海がいるし」
そう言うと、七海は落としますよ、と軽く脅した。
そんなこと言いながらしたことないじゃん、と思いながら「へいへい」と言って口を閉じる。
七海は優しい。でもあまり揶揄うとマジで痛い目に遭う。
だから私は正しい判断をした。
暫く沈黙が走るが、私はそれを自分で破った。
「なぁ、七海。」
そう問えば、なんですか、と無機質に返ってくる。
「....もし、私が死んだら寂しい?」
「.....あなたの弱音なんて珍しいですね。」
その質問に七海はなかなか答えなかった。
「....あなたが居なくなれば、戦力が大きく欠けます。」
「それは第三者の思考だろ。私情は?」
そう聞けば七海は矢張り黙りこくる。
「あー、もういいよ。変な質問して...」
「寂しいです」
私が諦めようとした時、七海は口を開いた。
「あなたが居なくなると寂しいです。」
七海は2回、そう言った。
「そうか。へへっ、嬉しいなぁ」
私は思わず笑みをこぼした。
「じゃあ、尚更生きなきゃいけねぇな。」
「えぇ、ですから今回のような怪我はもうしないでください。
私も居ますからもっと頼ることを覚えてください」
おんぶしてもらっている状況だから七海の顔を見ることは出来なかった。
「七海照れてる?」
「引っ叩きますよ」
.
「なぁ、七海」
彼女は決まって私と会話する時にそう言う。
私はなんですか、と聞き返す。
「今日は、七海を頼ってもいいか?」
今回任務する場所は明らかに2級以上、もしかすると特級呪霊がいるのかもしれない。
「えぇ。勿論です。」
そう彼女に言葉を返せば、彼女はふわりと笑った。
「じゃあ、やるか」
──彼女は死亡した。
彼女の1部であった左手がそこにあるだけ。
あれだけ世話を焼かせた挙句、私を置いて居なくなった。
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∞輪廻∞(プロフ) - マリイさん» 再びリクありがとうごさいます!!乞うご期待お願いします! (2021年1月28日 22時) (レス) id: a7a0dcccc8 (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - ∞輪廻∞さん» もう1つリクエストで夢主が虐められてる所とリスカしてる所を建人が見たら (2021年1月28日 22時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)
∞輪廻∞(プロフ) - マリイさん» うっわ、なにそれ良き!!むっちゃ面白そうやん!リクエストありがとう!! (2021年1月9日 22時) (レス) id: a7a0dcccc8 (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - リクエストで夢主がスリルを求めるアドレナリン中毒+戦闘狂でナナミンが夢主の面倒見てる設定見たいです (2021年1月9日 22時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:∞輪廻∞ x他1人 | 作成日時:2021年1月9日 22時