生家からの電話 ページ31
術式は使えない、と言い切られ、言い返す言葉が思いつかない。
「...それ、使ったら術師になれる？」
「──！あァ、勿論。俺が保証するぜ」
だから、真っ直ぐおっさんの目を見つめそう言えば、おっさんは不敵に笑った。
「...それ使って術師になったら馬鹿にしたやつ見返せる？」
「そりゃあ、お前の努力次第だな。
この呪具を使える資格があったとしても使いこなせないなら全くの無意味だ。」
私は立ち上がった。
片手に呪具を持って。
それでも、座っているおっさんの目線と同じ高さではなかった。
「教えて。私にこの呪具の使い方を。」
「勿論。最初からそのつもりだ馬鹿野郎」
それが、私が呪術師になる決定打だった。
.
「──ってまァこんな感じ。」
「茨の道を突っ切ってきたんだな。」
それなーと硝子の感想に同意する。
「で？そのおっさんとやらとは今も交流あんの？」
「ないよ。だって死んだからね」
駄弁るときと変わらない口調でそう言えば、硝子は少し黙ったあと、「そうか」と呟いた。
「.....生家のやつがね。おっさんを殺したんだ。
やっぱ、私あン時に生家滅亡させときゃあ良かったんかなー」
左手首を見つめながらそう呟く。
「ま、屑が一人二人死んだとこで何もメリット無ェけどな。」
アハハ、ととてつもなく不格好な私の笑い声が部屋に響く。
「A、お前何がしたいんだ...」
硝子の口から出た言葉はなんて返せばいいのか分からない質問だった。
「はぁ？硝子急に何言っ──」
ﾋﾟﾘﾘﾘ ﾋﾟﾘﾘﾘ
突如の着信音。
「──噂をすればなんとやら、だな」
スマホの着信表記は、生家からの電話を表していた。
「よォ、もしもし？お前らからの電話とか珍しくない？
もしかして私の容態知って慰めの言葉かけようとしてくれたの？」
『───────────』
煽りの言葉も全無視で生家の者が伝えた要件は私を絶望にいとも簡単に落とした。
『今すぐ来い』
最後に生家はそう伝えた。
「あのさァ」
直ぐに言葉を挟んだ。
「お前ら、なんで生きてられるのかちゃんと覚えてんのか？なぁ？」
私はもう、ひとつの意思を決めた。
「命乞いすんなら自分の日頃の行いを恨むんだな。自業自得だと、な。」
私はスマホを床に叩きつけた。
案の定、スマホは黒しか移していない。
ここまで強い意思を固めたのは、呪術師になると決めた時以前だった。
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∞輪廻∞(プロフ) - 猫餅さん» 教えて下さりありがとうございます...！早急に直しますね。ご指摘感謝です！ (2021年8月22日 21時) (
レス) id: a7a0dcccc8 (このIDを非表示/違反報告)
猫餅 - 冥さんの漢字が瞑になってます。。。 (2021年8月22日 16時) (レス) id: da7b97d38e (このIDを非表示/違反報告)
∞輪廻∞(プロフ) - プスメラウィッチさん» コメントありがとうごさいます！！五条オチの話も考えておきますね。リクエストありがとうございました！ (2021年5月28日 22時) (レス) id: a7a0dcccc8 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか？できれば五条悟オチでお願い出来ますか？続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年5月27日 17時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
∞輪廻∞(プロフ) - アオイさん» 感謝の気持ちで溺れそうです....！！コメントありがとうね！ (2021年1月26日 20時) (レス) id: a7a0dcccc8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：∞輪廻∞ | 作成日時：2020年12月20日 0時
