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喪失感 ページ17

ブゥン、と車のエンジン音だけが響いている。


最早それすらどうでもいい。

過ぎ去る景色も、なんか不安そうな補助監督もどうでもいい。


あの時。七海を別れた時。
ゾワゾワとした悪寒が走った。

気配から察して呪霊は差程強いものでもない。


じゃあ、なんで。とモヤモヤを抱えたまま、高専に着く。


「おーい、着いたよ」


「えっ、アッ、はい。」


補助監督に言われ、車を降りる。


「──ッ、」


嫌な予感が一層強くなった。


そして、既視感も感じた。









『 猿め 』









空を切るような、喪失感。





気付けば私は駆けていた。



校内の神社にいけば、恵と野薔薇がいた。


「恵...お兄ちゃんと、野薔薇お姉ちゃ.....」



「──アンタ、仲間が死ぬの初めて?」

「タメは初めてだ」



呼びかけようとしたら、2人がそう話していたのが聞こえた。


───死?


誰かが、死んだ?


タメ...同級生??

恵と野薔薇の同級生?





「......悠仁?」



つまり彼しかいない。


私は止まっていた足を再び動かした。

五条はどこだ。彼に話を聞かないと。



校舎に入り、探し回る。

誰もいねぇ。しかも広い。
挙句の果てには体が縮んでんだよ。
なんつー最悪コンボだよクソが。



「──上の連中、全員殺してしまおうか?」



唐突に聞こえたその声は五条のものだった。

声を辿ってその場にたどり着く。


「──解剖室...。」


この部屋で、悠仁の遺体があるとするなら必ず全員ここにいる。


「....。」


扉のノブに手を掛けた。


回せない。


この先で、現実を突き付けられるのが恐ろしい。


「...はぁ、身も心も幼稚かよ。雑ッ魚。」


自虐し、ノブから手を離した。
すぐ横の壁にもたれる。


彼を失うには早すぎた。









--------キリトリ線--------
補足です。
えー、時間軸がおかしいんじゃね?と思った方もいらっしゃると思いますが、夢主ちゃんが先に2年先輩ズとナナミンと接触したと思ってもらってください。

ナウは単行本2巻のとこです。
ゆーじくんが復活するの一瞬です。
カミングアウト入れときますね

小さい背中→←活字中毒者の面影



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∞輪廻∞(プロフ) - 猫餅さん» 教えて下さりありがとうございます...!早急に直しますね。ご指摘感謝です! (2021年8月22日 21時) (レス) id: a7a0dcccc8 (このIDを非表示/違反報告)
猫餅 - 冥さんの漢字が瞑になってます。。。 (2021年8月22日 16時) (レス) id: da7b97d38e (このIDを非表示/違反報告)
∞輪廻∞(プロフ) - プスメラウィッチさん» コメントありがとうごさいます!!五条オチの話も考えておきますね。リクエストありがとうございました! (2021年5月28日 22時) (レス) id: a7a0dcccc8 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年5月27日 17時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
∞輪廻∞(プロフ) - アオイさん» 感謝の気持ちで溺れそうです....!!コメントありがとうね! (2021年1月26日 20時) (レス) id: a7a0dcccc8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:∞輪廻∞ | 作成日時:2020年12月20日 0時

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