幼少期1 ページ14
・♪・♪間宮side・♪・♪・♪・♪・♪・♪・♪・♪・♪・♪・
「ねぇ！星廉！」
まだ幼い頃の君が、バイオリンの手入れをしている俺に笑顔で話しかける。
「ん？どうしたの？」
「剣の舞やろうよ！」
光織はまるで親に買って欲しいものをねだるように俺に楽譜を突きつける。
「つ、剣の舞？あんな早い曲光織弾けるの？」
俺は楽譜を受取りつつ、光織に尋ねる。
"星廉と一緒に演奏したい。"
そう言い始めて、ピアノを習い始めたらしいと聞いたが習い始めてそんなすぐに弾けるような曲ではなかった。
すると光織は自信満々に笑う。
「弾けるよ、練習したもん。
星廉とやりたくて。」
「俺とやりたくて？」
ピアノの前に立って、そっと鍵盤を撫でる光織。
「僕、剣の舞が一番好きだから。
聞いた時、たのしかったんだ。」
好きだから。
自分にいわれてるわけではないのに自然と頬が熱くなった。
小さい時から光織には敵わなかった。
「…仕方ないな。」
そう呟いた途端、パァっと光織の顔が明るくなる。
「早くやろ、弾けるんでしょ？」
「うん！」
楽譜を広げて、演奏が始まる。
どんなコンサートよりもどんなコンクールよりも、光織と2人で演奏してる方がずっと楽しかった。
光織のピアノの音は、楽しさで溢れていて、嫌なものは何も無い。
純粋に俺を見てくれている。
「はーー！やっぱり星廉と演奏するの楽しいね！」
「…ねぇ。」
「ん？」
「俺も、光織と演奏したい曲があるんだ。」
「何？」
「 。」
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作者名：○＊・ayumi・＊○ | 作成日時：2015年5月7日 20時
