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出会い2 ページ11

嶺二さんはそう言って笑った。
その時、なにかに落ちる音がした。
その笑顔が、僕を恋に落とさせた。
それが恋心を抱き始めたきっかけだった。
「あ、りがとうございます……」
放心した自分から発せられた途切れ途切れの言葉。
恋に落ちた後に喋った最初の言葉だった。





それから白崎についてきては嶺二さんと話し、たまに一人でこの刑務所にやってくるようにもなった。
彼に会いたい一心で、毎日何を話すのかたくさん考えた。
彼と話す度に彼のことを沢山知った。
サバン症候群だということ、数字で情報を理解する能力を持っているということ、友達がいること。
そして。
「僕は、この世界の嘘を暴くためなら…悪魔にでもなれるよ。」
「嶺二さん…」
そう言った彼に僕は手を添える。
「僕も、嶺二さんと一緒に暴きます。世界の嘘。」


気がついたら恋人になっていて、気がついたら離れていて。
そして、また会えた。


「嶺二さん。」
「ん?なんだい光織くん。」
ケチャップで口を真っ赤にしながら、僕の方を見る嶺二さん。
その姿を見てふっと笑った。
「僕、幸せです。この瞬間もこれからも。
ずっと幸せです。」
布巾を取り出して彼の口元を拭いながら、そう言った。
「そうか、僕も幸せだ。」
僕に口を拭かれながら、彼も笑った。
「康哉がいて、光織くんがいて、僕は幸せだよ。」
「えへへ。」

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作者名:○*・ayumi・*○ | 作成日時:2015年5月7日 20時

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