45 ページ47
夏休みも後半に差し掛かった
美月は体調の良い時に、病室で夏休みの課題を進めていたが、それももう終わろうとしていた
だが、病室で課題を進めるのは美月だけではなかった
健「美月ちゃーん⋯、ここ⋯何?解読できないんだけど、本当にこれ日本語⋯?」
貴「ふふ、ちゃんと日本語ですよ。ここはね⋯⋯」
そう、健だ
毎日のように病室に通っていたが、美月に課題はやったのかと聞かれ、やってないことを話すと怒られた
満面の笑みで「課題をやりましょう」と言われた時は背筋が冷たくなった
課題をやり始めてまだ数日
まだかなりの量が残っている
健「あー、俺って計画性ないな。いや 、夏休み始まる前はちゃんとやろう!って決めてたんだよ?」
貴「そう決めて実行する人は、数少ないと思いますよ?それに、愛蔵くんはもう終わったと言っていましたよ?」
健「は!?まじで!?あいつ⋯⋯⋯っくそ!!」
貴「ふふ、お兄ちゃん頑張ってくださいね」
美月からニコニコ笑顔で愛蔵のことを話され、それに腹が立った
それで猛スピードで課題に取り組んだ
まぁ、その甲斐あってかなりの量を消費したのだが⋯
健「あー、あと少しだー⋯⋯まぁ、あとは明日やるかな⋯」
健が課題から顔を上げると、窓の外はもうオレンジ色に染まっていた
美月を見つめると、疲れてしまったのか、眠ってしまっていた
健「あ、寝ちゃったのか⋯」
健はベッドを水平に戻してあげ、優しく布団をかけてあげた
健「いつ退院できるんだ⋯⋯」
美月が倒れて入院してから、もう2ヶ月は過ぎている
なのに、未だに点滴は打たれているし、退院の話すらない
夏休みが終わるまで、もう1週間をきった
健「このまま退院できないまま夏休みが終わるのか⋯?俺は何もしてやれないまま⋯」
夏休みには美月と1度しか出かけていない
これだけしか出来ないものか⋯
いや、違う⋯
健「確か、夏休み最終日に花火大会があったよな⋯⋯外出許可を貰って、一緒に行けないかな⋯」
健「いや、絶対に行こう。一緒に思い出を残そう。」
健は美月の手を優しく握り、目が覚めるのを待った
86人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:りんご飴 | 作成日時:2019年6月6日 23時