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夏休みも後半に差し掛かった



美月は体調の良い時に、病室で夏休みの課題を進めていたが、それももう終わろうとしていた



だが、病室で課題を進めるのは美月だけではなかった



健「美月ちゃーん⋯、ここ⋯何?解読できないんだけど、本当にこれ日本語⋯?」


貴「ふふ、ちゃんと日本語ですよ。ここはね⋯⋯」



そう、健だ


毎日のように病室に通っていたが、美月に課題はやったのかと聞かれ、やってないことを話すと怒られた



満面の笑みで「課題をやりましょう」と言われた時は背筋が冷たくなった




課題をやり始めてまだ数日



まだかなりの量が残っている


健「あー、俺って計画性ないな。いや 、夏休み始まる前はちゃんとやろう!って決めてたんだよ?」


貴「そう決めて実行する人は、数少ないと思いますよ?それに、愛蔵くんはもう終わったと言っていましたよ?」


健「は!?まじで!?あいつ⋯⋯⋯っくそ!!」


貴「ふふ、お兄ちゃん頑張ってくださいね」


美月からニコニコ笑顔で愛蔵のことを話され、それに腹が立った


それで猛スピードで課題に取り組んだ



まぁ、その甲斐あってかなりの量を消費したのだが⋯





健「あー、あと少しだー⋯⋯まぁ、あとは明日やるかな⋯」


健が課題から顔を上げると、窓の外はもうオレンジ色に染まっていた


美月を見つめると、疲れてしまったのか、眠ってしまっていた



健「あ、寝ちゃったのか⋯」


健はベッドを水平に戻してあげ、優しく布団をかけてあげた




健「いつ退院できるんだ⋯⋯」



美月が倒れて入院してから、もう2ヶ月は過ぎている


なのに、未だに点滴は打たれているし、退院の話すらない




夏休みが終わるまで、もう1週間をきった



健「このまま退院できないまま夏休みが終わるのか⋯?俺は何もしてやれないまま⋯」



夏休みには美月と1度しか出かけていない


これだけしか出来ないものか⋯


いや、違う⋯



健「確か、夏休み最終日に花火大会があったよな⋯⋯外出許可を貰って、一緒に行けないかな⋯」


健「いや、絶対に行こう。一緒に思い出を残そう。」





健は美月の手を優しく握り、目が覚めるのを待った

46 (健side)→←44 (夢主side)



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作者名:りんご飴 | 作成日時:2019年6月6日 23時

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