46 (健side) ページ48
窓の外が暗くなり始めた頃に美月は目覚めた
健「おはよう」
そう笑顔で言うと
貴「おはようございます⋯⋯ごめんなさい⋯寝てしまっていました⋯」
と、申し訳なさそうに返ってきた
気にしなくていいのにな⋯
健「いや、いいよ。体調は大丈夫⋯?」
貴「うん⋯大丈夫⋯⋯」
健「美月ちゃん、夏休み最終日に花火大会があるんだけど⋯行かない?」
貴「え、花火大会⋯?」
美月の顔が、ぱぁっと明るくなった
健「うん、外出許可取ってさ⋯⋯あと、浴衣も着て⋯」
貴「行きたいです!先生に頼んでみま⋯」
医「聞かせてもらったよ」
美月の言葉を遮りながら、担当医が病室に入ってきた
そして、担当医は優しく微笑みながら
医「行っておいで⋯」
と言った
貴「本当ですか?やった⋯!」
美月は本当に嬉しそうにしていた
医「でも、条件付きだ。外出許可は出すが、その日までちゃんと今まで通りに治療を受けること。いいな?」
貴「わかりました!柴崎くん!やりましたね⋯!」
健「あぁ、マジで嬉しい!」
俺も嬉しい
そして、俺は花火大会でもう一度気持ちを伝えようと思っている
(その時は⋯ちゃんと返事くれるかな⋯?)
少し期待はしておこう
(逆に、俺がちゃんと言えるかな⋯⋯)
(あ、ふられたらどうしよ⋯)
そんな気持ちも出てきた
(いや、それでも俺はちゃんと伝える⋯)
そう心に秘め
夏休み最終日を待つことにした
ああ、今から楽しみだ⋯
でも、なんだか緊張もする
早く美月の浴衣姿が見たいと思う俺もいるのだが
絶対可愛いよな⋯⋯ニヤけたらどうしよ←
今から舞い上がる俺だった
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作者名:りんご飴 | 作成日時:2019年6月6日 23時