重岡は罪深い男です。

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ひとつの傘を2人で使う。


そんな憧れのシチュエーションは現実では








小「おい、ちゃんとさせ」








腕を伸ばして生意気王子を傘で守るかたちだ。









「あの、こ、小瀧くんの方が身長たかいやんな？」



小「あたりまえ」



「なら、傘持ってくれても」



小「あんたの傘やんけ」









入れてやってる身やぞ。









小「あ、あんた、アホそうだからお告げあげたる」



「お告げ？」



小「男は、好きな人に本気になったらその人をどうしても手に入れたくなんねん」



「、、、で？」



小「まだわからへんのか。ある人は手に入れずらくて、追いかけたくなる。でも、あんたは」








ふっと鼻で笑った王子。








小「よく言って三葉みたい」



「へ？」



小「モブってこと。四葉を探すための過程でしかない」









ハッキリ言わない王子、少しは優しさがあるのか。









馬鹿なわけではない。


私は脇役に過ぎないと言いたいんだ。




だから。








「小瀧くんは」



小「あ？」



「小瀧くんはなんなの？四葉を取ろうとしても取り損ねるアホやないの」









結局、四葉を取るのは、主役の重岡だ。








小「ちゃんと見てる。取られるところも。俺は、誰のものとか、誰が最初に見つけたとか気にせん。」






私達は似ても似つかない脇役だ。







「残酷や」


小「はよ、別れた方があんたの為でもあるで」








何も答えず、ただただ考えてた。






私が主観の位置にいる限り、変わらないと。

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