＿信頼と歴は比例しない ページ16
*
1時間前。
『ごめんなさい。帰ります』
桐『ちょ、帰るって？』
『、、、』
話の途中で耐えきれなくなり逃げ出した。
そして、ウロウロと道を歩いてたどり着いた公園。
どう来たかも、どの道を歩いたかも、わかってない。
けれど、電波越しに耳元から聴こえる声が優しくて、我慢の制御が緩む。
《そっかぁ、、、》
楽しめるんだ、私。
楽しませてくれるんだ、、重岡くんが。
やっぱり、好きだな。
そう思うと同時に、友達のレッテルが強く貼られた壁が素直にさせなくて
やっぱり、誰にも頼れない、寄りかかれない、
弱さなんかみせたら終わるんだよね
所詮、他人なんだから。
《ありがとう。》
重《ん。》
《じゃあ、》
重《待って》
《ん？》
話す事が無さそうな雰囲気の重岡くんの声。
なのに、なかなか切れない電話。
反応を待ってると、近くに人影が現れ、下に向けていた目線の先にスニーカーが見えた。
顔を上げれば、困った顔をして私を見下ろす人が立っていた。
《ごめん、切るね》
終わらせた通話。
その様子に申し訳なさそうにして、隣のブランコに座った桐山さん。
桐「電話中やったよな。友達？」
「、、、探しに来たんですか」
桐「ん。もうすぐ暗くなるからな。」
「どうして、親切にするんですか」
桐「そりゃ、当たり前やん。ほらぁ、、、」
＿＿何よ。
「他人なのに。大人だからって、カッコイイ事言わないでください」
桐「そ、そんなことないで？」
「面倒なら、そう言ってください。たー君の事なら、私が責任持って育てますから。情けはやめて下さい」
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作者名：のんれもん
| 作成日時：2021年2月24日 19時
