＿〃 ページ15
*【Sigeoka said】
数歩踏み出せば、声の届く距離。
そこで、完全に勇気が無くなる。
《もしかして、重岡くんの友達だった？》
重《あ、ん。Aも知ってるはず》
《えぇ、誰だろ。》
重《やっぱ、自分で知った方がええやんな。内緒にしとくわ》
《ふふ、余計に知りたくなる。》
電波を通した声は笑顔なのに
実際は無理しているようにしか見えへん。
重《あんさ、、》
変に抉られる心臓。
手を伸ばしたくなる彼女と、脳裏に張り付く、、イチの送ってきた彼女と男がキスをした動画。
いつも大人しくて、俺の知っとるAやない、彼女が男に抱きついていた。
そんなん、、、俺に告白する以前やってわかっとるけど
イチは彼女が誘惑しとったって言うた。
もし、そういう事が慣れとる子なら俺は、騙されたないし
反対に、俺ばっかが好きでいるのも嫌や
んな、かっこ悪いプライドが邪魔をする。
《、、なに？》
重《ありがとうな。その、夏祭り誘ってくれて。》
《、、、》
重《すっごい、嬉しかった。って言いたくて。ずっと》
《ほん、と？》
重《ん。それと！俺が、、俺が楽しませるから。Aの初めての夏祭り》
ハッキリとは見えへんけど、薄ら笑ったように見えた。
《そっかぁ、、》
なのに、今度は声が弱々しくなってしまった。
傍に行けへんのは
自分で決めた友達という範囲のせい
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作者名：のんれもん
| 作成日時：2021年2月24日 19時
