小 児 科 病 棟 の 女 の 子 。 5

不 安　[ 216 ] ページ36

* 優雨side *


「 … 治んないよ 。 」


真 「 え … ？ 」


「 私 の 病気 は 、 たくさん お薬 飲んでも 、

点滴 しても 、 発作 から 頑張って 回復 しても 、

全然 治らなかったんだから 。

手術 だって 今回 が 初めて じゃない ……

どうせ 誰 が やった って 、 完全 には 治らない …

何度も 何度も 手術 して 、 吸引 して 、

時々 食欲 が なくなって 食べれなく なって 。

いつ 死んでも おかしくないの ……！ 」


真 「 優雨 … ちゃん 。 」





つい 、 不安 が 大きくなって 、

真愛ちゃん に 全部 ぶつけてしまった 。




それなのに 、 真愛ちゃん は

いやな 顔 一つ せず 全部 受け止めてくれる 。





いつも 真愛ちゃん が 、

” 優雨ちゃん は やさしい ” って 言ってくれるけど 、

優雨から したら 真愛ちゃん の ほう が

全然 優しい と 思うこと が よく ある 。


　


「 … っ 、 ごめんね 、 夜中に … 」


真 「 ううん 。 真愛 は 大丈夫 だよ 。

真愛 も 手術 する って なったら 、 こわいもん 。

……… それに 、 ひとりぼっち に なると

どうなっちゃうんだろう って 考えるのも …

だから 、 気持ち は わかるよ？ 」






真愛ちゃん は 同じ 心臓 の 病気 で

入院 しているわけ では ない けれど 、

今まで 入院中 に 出会ってきた 友達 の 中 でも

話しやすいし 何より 一緒 に 居て楽しい 。


　



「 もう 一つ ね 、 理由 が あるんだ … 」


真 「 何？ 」


「 実は … 転院先 の 先生 、 苦手 で …… 」


真 「 奏先生 は 、 割 と 先生 の 中 でも

話しやすいほう だもんね？ 」


「 うん 。 それに 、 男 の 先生 だから 、

尚更 怖くて …… 」





今 は そこまで 男の人 が 怖いわけ でも ないけど 、

なんとなく 慣れてない から 男 の お医者さん は

今でも ちょっと コワイ 。


　



真 「 転院 しないこと って 、 できるの？ 」


「 わかんない 。

…… 正直 、 病気 を 治す ため には

いかなくちゃ いけないんだ と 思う 」


真 「 そっか … 。 」



　




最初 は 全然 眠れなくて

真愛ちゃん に 話しかけたのに 、

気 が 付くと その日 は 寝ていて 、

朝 まで ずっと 真愛ちゃん と 一緒 に 寝た 。






久しぶり に 横 に 人 が 居てくれて 、

その夜 は なんだか 心なしか いつもより

あったかかった 気 が する 。

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