小 児 科 病 棟 の 女 の 子 。 5

小 さ な 女 の 子　[ 211 ] ページ30

* 奏side *



看 「 あの子 … 真愛ちゃん 、

どの 看護師 でも 全然 泣き止まなくて …

桜庭先生 は 、 子ども と 接するの が

上手 なのね 」





そう 言い残して 、 看護師さん は 出て行った 。



　


なんだか 、 他 の 人 には

なかなか 心 を 開かない子 が 自分 には

開いてくれた と 思うと 、 嬉しかった 。



　


まだ 医者 に なりたての 自分 に とって 、

真愛ちゃん は まるで 医者 で ある 自分 を

認めてくれているよう にも 感じた 。




　




・




　





この日 は 日勤 で 、 午後 の 外来 が

終わった後 帰宅 してもいいよ〜 と

先輩 の 先生 に 言われた 。





だから 、 早く 帰ろうと 思ったけど 、

折角 だから 、 と カルテ整理 やら なんやら

終わってない仕事 を 片付けて いたら

あっという間 に 21時 。



　


医 「 えっ 、 まだ いたの？ 」


「 仕事 終わらせて 帰りたくて …… 」


医 「 その 気持ち も わかるけど 、

休むの も 仕事 だから 。 今日 は 帰りな？ 」


「 … では 、 お言葉 に 甘えて ……… 」


　


気 が 付けば

当直 の 先生 しか いなくなって いて …


　


さっさと 帰ろうと 病棟 の 前 を 通っていくと 。



　



” うぅ … っ …… ぐすっ …… ”






あの 女の子 ……


　
　


どうしても その 泣き声 が 無視 できなくて 、

思わず 病室 に 行ってしまう 。


　


真 「 うわぁぁん 、 けほけほ …

ひっくひっく … おうち かえりたいよぉ 」


「 もう 泣かなくて いいよ ………

大丈夫 、 大丈夫 …… 」



　


今日 は もう 私服 だったことも あってか 、

抱き上げても 全然 泣かれなかった 。

　


その 女の子 ・ 真愛ちゃん は

覚えていてくれたのかどうか は わからないけど 、

抱っこすると 泣き止んでくれたのが

何故だか そのとき は ものすごく うれしかった 。




　




真 「 …… すぅ … 」


「 … おやすみ 」


　


前 に 比べると 、

全然 あっという間 に 眠ってくれた 。


　


何度 見ても やっぱり 寝顔 は かわいい 笑 。



　



ベッド に そっと おろして 、 静か に

病室 を 出て その日 は 家 に 帰った 。

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