禪院家に売られました 続

#89 ページ39

あ、やばい









宿儺が領域展開を発動する









そう思った瞬間に私も両手を合わせた









「領域展開





【奇縁奇奇怪怪(きえんききかいかい)】」









奇奇怪怪





ある日突然異世界に飛ばされることも然り







渋谷で遊んでいるところを巻き込まれることも然り









そしてそれは何かしらの縁があってそうなった









人と人とが出会い






それが人生の分岐点になる









縁は大切だ









それと同時に邪魔なものになる時もある









でもどうすることもできない









だって縁は結ばれているから。









私の領域展開はその縁を切れる







なんというか、物理的に。









そう、物理的にだ。









私があの箱に囚われていた時にしたのは【私とこの呪いの縁を切る】ことだ。









対象者は黒い帯状の紋様が現れ、その【縁】を千切ろうとする。









.....私に攻撃が返ってきた時は物理的にそれに手足を千切られるとこだったみたい、おお怖っ









宿儺の領域展開はきっと範囲が広い






私が想像するよりも、ずっと。









ここから恵との距離は離れている、たぶんだけど恵は宿儺の範囲から外れている









それにあの宿儺が恵に攻撃を当てるとは思えない









だけど他の人は？









これだけの一帯に何人の人間がいると思う









さっき宿儺と共に吹っ飛ばされた時にもチラチラと視界に入った。









可哀想だ








ここばかりは同情してしまう









ただここにいるだけだったのに、死を迎えてしまうのはなんとも可哀想









「だから、全員は無理だけど私が縁を断ち切ってあげる」









ごめんね、私には宿儺のように広範囲の領域展開は出来ない









でも守れる人は全力で守るから









私が切る縁は......そうだな









「【伏魔御厨子の効果を受ける対象】は【人間に限り適応しない】とする.....

ってとこかな」









私の縁切りは





即ち









無効化である。









______







領域展開に関してはふわっと見てくださいね、ふわっとで。






橄欖

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