推しは守り助けるもの 漆【鬼滅の刃】

参佰仇の型 ページ9

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不死川実弥side




嘘、だろォ…



目の前で最愛の人間が消える苦しみ



何度味わってきたことか。




何度味わっても変わらねぇこの気持ちは




反吐が出る

虫唾が走る

癪に障る

胸糞が悪い





全部引っ括めた感覚











クソがクソがクソがッ！！！！



ふざけんじゃねェよォ！！！！



A、テメェならンな事しなくても勝てたじゃねぇか！！！！



私は死なないって何回も言ってたじゃねぇかよォ！！！




強いからって



何回も



何回も




「クソがァ…ｯ」




Aの藤の花の匂いが更に涙腺を刺激する



何回鬼に大切な人を奪われればいいのか



お袋も、兄弟も



匡近も



Aまでも






もう、会えねぇのか





お前だけは死なねぇと思ってた



絶対死なねぇ奴だって




だから俺はこの戦闘が終わったらお前に好きって




愛してるって言うつもりだったのによォ…







なんであんな奴と、相討ちで死んだんだよォ？






ああ、そうだな







そうだ



















お前は優しかった




俺が柱となるきっかけの任務でAと会った




匡近の死因を自分に擦り付け、暴力まで振るわれても文句一つ言わず、



更には暴行を無かったことにしようとし、確実に自分のせいではない人の死を自分のせいだと言った





後々Aの偉大さには気づいたし、後悔した



その後の合同任務でも驚きの連発だった



誰もが見てわかるくらいの素晴らしい太刀筋



あーこりゃ適わねぇわって瞬時に思った





そしてまた、人間性も適わなかった





貪欲な、下品な、糞みたいなことは一切言わず





小さい身体で大きい任務を背負い、



周りの人間にも配慮を欠かさない




俺からしたら自害するレベルで嫌な人生だがあいつは







それでもあいつは、幸せそうだった




アホみたいに良い人間じゃねぇかよォ…







あークソ…






「ｯ会いてェ…」

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